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学科 | 社会学科 |
年度 | 2017 |
ゼミ名 | 藤本 昌代 |
タイトル | 待機児童政策過渡期における保育園・保育士の実態 ―保育労働者の想い・働きがい・葛藤― |
内容 | 安倍内閣発足以降、保育の受け皿は急速に拡大しており、今後もさらに拡大すると予測される。まさに待機児童政策過渡期にある保育業界だが、保育士の数は追いついておらず、また、保育労働に関する研究も遅れている。そこで本論文では、制度変革期における保育現場の実態について、認定こども園の園長と保育教諭11名にインタビュー調査を行い、保育業界で働く上でのやりがいやジレンマ、保育への想いを明らかにした。調査からは、園長と保育教諭という立場の違いから、教育カリキュラムの考え方について葛藤が生じていることが分かった。また、多くの保育教諭はキャリアアップを望んでおらず、待機児童政策と現場のギャップも明らかとなった。そして、女性の社会進出が進む一方で、保育現場では「気になる子」が増加しており、福祉的なサポートも必要であることが分かった。現在、保育業界にはさらなる専門性が求められており、「保育は子どもと遊ぶ仕事」というような表面的な認識ではなく、「これからの社会を担う子どもに関わる、専門性の高い仕事」という認識を皆が持つ必要が、現在の待機児童問題や保育士不足の改善につながっていくのではないかと考える。 |
講評 | 本論文は育児期の女性が継続的に就業し続けるための支援策として待機児童解消ということに人々の関心が集中しがちであるところ、急激に園児が増加した保育現場に起こっている現象を明らかにしたものである。丁寧な保育を目指す保育士と潜在的であった「気になる子」の増加によるジレンマ、保育士が燃え尽き症候群に陥りそうな就労現場の状態、子供を預かる場所としてだけでなく教育現場として子供に接したいこども園の思いなど、丁寧に聞き取り調査を行い、興味深い結果をまとめた秀作である。 |
キーワード1 | 保育労働者 |
キーワード2 | 待機児童政策 |
キーワード3 | 専門職 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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