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学科 | 社会学科 |
年度 | 2017 |
ゼミ名 | 藤本 昌代 |
タイトル | 観光資源が価値を失う時 -活気のなさからみえた観光地内部の意識の差- |
内容 | 現在、日本各地で観光開発が行われている一方で、観光地として最盛期を超え、活気が失われつつある地域も存在する。しかしそのような地域に着目する研究はこれまで殆ど見られなかった。そこで本稿では、1977年にNHKのドラマにて脚光を浴び、観光地化した神戸の北野に着目した。そして最初に、活気を失わせた要因として観光入込客数の減少や「阪神・淡路大震災」を列挙したが、震災による建造物の破損を除き、直接的なものは見出されなかった。そのため、意識の差異が北野に活気の無さをもたらしていると考え、観光地の北野に対する意識が行政、商業団体、地域住民の3つのアクターで異なっているのではないかと仮定した。そしてインタビューを行った結果、アクターの構図は3つにとどまらず複雑化しており、意見も多様に分散していた。しかし意見が分散している状況を、地域の自治組織や、複数の立場をもつ者が仲介することで、北野は観光地であり続けることが出来ているようだった。 |
講評 | 本論文は神戸市という関西の三大都市に挙げられる大都市に着目したものであり、神戸市の中でも非常に有名な「北野エリア」の観光客の減少、異人館の維持の難しさなど、かつて大勢の人々で賑わった地域の現在について聞き取り調査を行ったものである。商業活動を行っていない地域住民にとって異人館に訪れる外国人観光客のマナーの悪さは大きな問題となり、また異人館の維持に経済的な問題があり、北野エリアという歴史的価値のある地域に対する行政、商業の思いとのジレンマが描かれている。大都市に起こりうる衰退に一石を投じた意欲作である。 |
キーワード1 | 観光地化 |
キーワード2 | 観光資源 |
キーワード3 | 意識の重層化 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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