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学科 社会学科
年度 2017
ゼミ名 藤本 昌代
タイトル TCGと楽しさの魔法円
内容 TCGの研究はほとんどなされていないのが現状だ。TCGの主要な特徴であるプレイヤーの多様さに注目し、プレイヤーたちがどのようにTCGを楽しんでいるかを明らかにするのが、本稿の目的である。京都と滋賀のショップにおいて参与観察およびインタビュー調査を行った。プレイスタイル、熟練度、コミュニケーションの3つの軸からプレイヤーを観察したところ、プレイヤーたちからは「勝つこと」と「表現すること」という2つの価値観が観察された。さらに、この魔法円の分類は、地域的なものであることも考察された。京都では「勝つこと」が重視され、滋賀では「表現すること」が重視される傾向にある。また、多くのプレイヤーにおいてアニメが共通の話題となり、現実とアニメを結び付けた認識がなされていた。結論として、TCGという遊びには、競争という面と演技などの表現の面が内包されている。そしてそのバランスによって、多様なプレイヤーたちに画一化されない楽しみ方を提供しているのだ。
講評 本論文は対戦型カードゲーム(トレーディングカードゲーム)による遊戯空間で形成される人々の行為における暗黙のルールなどを聞き取り調査、参与観察によって描いたものである。本ゲームは小中学生から社会人まで幅広い社会的属性の人々が楽しむことができ、属性を超えた人々の交流がカードショップ兼対戦場で行われる。その中で上級者への尊敬やアニメとの連動した対象ゲームの情報に詳しい者同士でわかりあえる共通知識、言語、しぐさなど、言語および非言語の交換から生まれるメンバー同士の暗黙の理解、規範を描写し、それらの京滋地域での違いを発見している。
キーワード1 遊び
キーワード2 トレーディングカードゲーム(TCG)
キーワード3 魔法円
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