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学科 | メディア学科 |
年度 | 2017 |
ゼミ名 | 竹内 幸絵 |
タイトル | コスプレイヤーがコスプレをする理由-自己を消した自己表現の中で満たす承認欲求- |
内容 | コスプレイヤーがコスプレをする理由は何なのだろうか。この疑問を出発点に、コスプレは「自己表現の手段」であるにも関わらず、キャラクターに身を纏うことで自己を消すといった矛盾についても考察する。SNS上でのコスプレイヤーの動向から、コスプレとは「他者からの評価を極めて重視している趣味」であることが明らかになった。これを基に複数のコスプレイヤーにインタビューを行う。更にコスプレイヤーを主人公として描いた漫画『コンプレックス・エイジ』から読み解く。以上の研究方法から、コスプレイヤーには非日常(コスプレ)と日常における二つの承認欲求が生じており、完成度の高いコスプレをすればするほど、非日常における承認欲求だけが満たされ、その差が大きくなることによってコスプレに夢中になることが分かった。加えて、完成度の高いコスプレはキャラクターそのものと化し、「自己を消す」といった面も大きくなると結論付ける。 |
講評 | 「コスプレという行為は自己表現なのに、キャラクターになり切ることで自分を隠している。」目立ちたいが目立ちたくない。他者からの評価を極めて重視している趣味なのに、Twitterアカウントも本名は使わずほとんどがみな隠している。この矛盾に気づきこれをテーマとする斬新な発想から本論文の研究は開始された。 6名のコスプレーヤーにインタビューし、彼女たちに日常において認められた経験が少ないことや、6名中5名がコスプレ趣味を公表していないことなどを突き止めたことは本論文の重要な成果の一つである。執筆者は一年間を通してこのインタビューだけでなく様々な文献を読み、アンケートを取り、非常に多くの気づきを得ていった。発見が多かったがゆえにそれらに埋没しそうになり執筆の段階で考えの整理に大きく悩んだ。最終的に着目したのは、現実生活の充実(リア充)とコスプレ世界の充実のギャップだった。特殊な趣味を分析したかに思われる卒論だが、執筆者の出した結論は、ごく普通の若者にも共感されるであろう、日々の生活実態への視野を持つ骨太の論文である。 |
キーワード1 | コスプレ |
キーワード2 | 承認欲求 |
キーワード3 | 自己を消した自己表現 |
キーワード4 | 日常と非日常 |
キーワード5 | 他者からの評価 |
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