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学科 メディア学科
年度 2017
ゼミ名 竹内 幸絵
タイトル なぜ漫画『NARUTO』は社会を反映していると言われるのか
内容 1999年から2014年の間まで『週刊少年ジャンプ』で連載され、世界的ヒットを記録した漫画『NARUTO』。この漫画では少年漫画らしくないと言われる場面が特に後半の戦争編にかけて多く見られる。それは主人公が相手を対話と許しにより改心させ争いに終止符を打つところに起因するとされ、そういった姿勢を筆頭に現実社会との関連性を読者に指摘されている。本論文では、その関連性を内容と形式の二つに分けて分析した。分析の手段として構造主義と物語論という枠組みを用いた。まず、対比構造を用いた構造主義の考え方により様々な主張を持つ各キャラクターの相関性を読者が現実社会に置き換えて解釈する要素を見つけた。そして物語論により、『NARUTO』では多岐にわたったキャラクターの視点やバックグラウンドを描くことで、読者に多様な立場の人々の主張を想起させているとの考えに至った。これら等が要因となり「社会を反映している」と評されるという結論を得た。
講評 大ヒット漫画『NARTO』の物語性に魅了されていた執筆者は、この物語が今日の社会を反映しているのではないかという意見に興味を持ち、その分析をしたいと考えた。彼が選択した方法は、構造主義と物語論の方法論を彼なりに咀嚼し理解したうえで『NARTO』に戻る、というものだった。殆ど独学でそれらの関係専門書を読み、構造主義からは、対立関係を見ることで作品の意味を見るという手法を、物語論からは物語の形式分析から読み解く方法を選んだ。「敵も含めて敵味方いずれも一方的に倒すのではなく、対話と相手をさとしていく(平和を目指す)、およそ少年漫画らしからぬストーリー」の中から「キャラクター間、グループ間 にある。対比構造」や、「物語の時間(論理の連続)、視点(誰の視点)、語りの水準(語り手がどこにいるか)の交錯」といった特徴を見いだしていった。ゼミではこのような興味について語ることのなかった彼だが、現実社会の多様性への視野や、いかに生きるのか、という点への興味の深さを論文で示し、大学最後を飾ってくれた。
キーワード1 NARUTO
キーワード2 構造主義
キーワード3 物語論
キーワード4 対比
キーワード5  
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