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学科 | メディア学科 |
年度 | 2017 |
ゼミ名 | 竹内 幸絵 |
タイトル | 『探偵!ナイトスクープ』はなぜ関東でウケなかったのか-番組の比較分析調査による定量的探索- |
内容 | 本論文は、ローカル番組の定量分析を行うことで地域別のパーソナリティは存在しうるということを明らかにしていく論文である。とりわけ、関西では視聴率30%を超すが、関東ではウケずに放送中止となってしまった『探偵!ナイトスクープ』を題材に取り上げ、比較対象を設けることで、はったりと言われている地域パーソナリティ(県民性の有無)を明らかにしていった。なお、本論に信憑性を持たせるために、番組に対する関西と関東人のネット上のみの意見だけでなくNHK文化研究所が推奨している4つの定量分析を通して研究を行った。その際に関東ローカル番組『タモリ_楽部』を比較対象として結果を出し、結果から、関西人は、番組内でのタレントと素人の心的、身体的距離が近い。カット数が少なく、まるで自分がその場に居合わせているような感覚になる番組を好む等ということが考察できた。故に、結果の差異から、地域パーソナリティが存在しているということが証明できた。 |
講評 | 執筆者は当初より、関西と東京の「笑い」の文化の差を考察したいと考えていた。そして地域パーソナリティー論と銘打つ先行研究にいくつか当った後に、これらには数値的根拠がなく説得力に欠けることに気づく。両者の笑いの違いを分析的に示す。これが本論文の目的となった。 まずネット掲示板などでの一般の声を収集し、両者の違いがどのように認識されているかを検証した後。掲示板の調査で出てきた関西番組が面白くない、とする関東からのキータームは、『うだ喋り』た。メリハリなくタレントがベタな会話を続けるシーンを指していると思われた。そこで『うだ喋り』が実際に存在するのかを、NHK放送文化研究所が提示している分析方法を用いて量的に調査しようと考えた。対象はいずれも視聴者が参加するお笑い番組、関西の「探偵!ナイトスクープ」と関東の「タモリク倶楽部」。笑いの出現回数調査、会話の流れを見るスクリプト分析、台本分析(カメラワークを含む)を行った。この独自調査が本論の核心部分で非常に読みごたえがある。面白いシーンをカットしつなげる関東と、カメラ一台で切れ目なく撮影し視聴者も参加している気になる関西の番組の特質を数値として現すことに成功した。また素人の名前を呼び接触する関西の番組の特質も表示した。執筆者の素朴な興味が、最終的には数値分析によって表現されたメディア学科らしい卒論である。 |
キーワード1 | 地域パーソナリティ(県民性) |
キーワード2 | コミュニケーション |
キーワード3 | 番組定量分析 |
キーワード4 | ローカル番組 |
キーワード5 | ヨコとタテの人間関係 |
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