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学科 社会学科
年度 2017
ゼミ名 立木 茂雄
タイトル 体罰許容度に影響を与える要因
内容 平成19年2月に、裁判例の動向等も踏まえ、「問題行動を起こす児童生徒に対する指導について」(18文科初第1019号文部科学省初等中等教育局長通知)別紙「学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰に関する考え方」を取りまとめている。しかしながら、平成24年12月には部活動中の体罰を背景とした高校生の自殺事案が発生するなど、教職員による児童生徒への体罰の状況は依然として残されていた。そのため平成25年1月に、文部科学省から「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について」の通知が出され、体罰禁止の徹底を呼び掛けている。
このような文部科学省の動きがある中でも、いまだに教育現場に体罰は根強く残っている。様々な意識調査と並行して、研究者たちがどのようなメカニズムで体罰が生み出され、どのような理由で体罰が受容されてきたのかを論じている。
そこで本稿では、様々な体罰の様態、原因または受容の仕方をインタビュー調査を通して解釈し、その結果をもとに調査票を作成し、アンケート調査を実施する。これによって得られたデータを使用し、体罰容認、肯定の意識が生成される理論が論じられていたものを検証することに加え、その他の属性や経験、思考がどのように体罰許容度に影響しているかを分析していく。
講評 体罰に関するスポーツ社会学の先行研究や、体育会学生への質的なインタビュー調査をもとに、「体罰とは何か?」を操作的に測定する尺度を構築し、142名の同志社大学の体育会やサークル団体に参加している学生に実査を行い、体罰の許容度を左右する要因を明らかにしようとした野心的な研究です。その結果、男性の方が女性よりも体罰への否定感が有意に高いこと、体育会の学生の体罰許容度が有意に高いこと、高校時代に集団運動部に参加していた学生の体罰許容度が高いこと、そして自分自身が体罰経験を有すると体罰肯定感が有意に高くなること、体罰を自らが行ったことのある者は有意に体罰許容度が高くなること、などを実証的に明らかにしました。体罰を受けることが他者への体罰への許容度を高め、次なる連鎖が生まれていることをデータを用いて科学的に明らかにした点で、理論的・実践的に価値の高い成果が得られました。
キーワード1 体罰
キーワード2 許容度
キーワード3 被体罰経験
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