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学科 | メディア学科 |
年度 | 2017 |
ゼミ名 | 勝野 宏史 |
タイトル | 原点回帰する消費-レトロゲームとノスタルジア- |
内容 | かつてヒットした商品の復刻版が次々に登場して、消費者の懐かしさを喚起する「ノスタルジーマーケティング」が隆盛している。こうしたレトロブームは人々の消費の原点回帰であると同時に、先行き不透明な現代における日本が最も輝いていた時代への回帰だ。レトロブームの筆頭であるレトロゲームを題材として、原点に回帰する意味、原点が現在において求められる理由を、人々の消費行動や社会の持つ物語性、個々のゲーム体験の変化という点から考える。 原点回帰は自由制の拡大や大きな物語の喪失によってもたらされた不安に対し心の支えを求める意義がある。生活様式や技術の進歩によりゲーム体験は個々でカスタマイズされ、人々は物語を共有できなくなった。原点は反復の体験であり、原点的思考への回顧は他人との繋がりを再認識することに用いられる。また、原点に立ち返ることは、人間が発展していく上で必要不可欠だ。現代におけるレトロブームは、自身や社会の不安や発展の限界を感じ、これを打破しようとする動きに他ならない。 |
講評 | ノスタルジーに関する研究は増加の一途を辿っているが、田中論文の斬新さはこの流れに「原点回帰」さらには「原点消費」という新たな視点を持ち込んだことである。論文内で指摘されているように、原点回帰とは単に過去を顧みる行為ではなく、過去に立脚しながら物事の新しい展開を創造することである。論文執筆の過程では軸がぶれずに物事をやり通す力を発揮し、締切一ヶ月前には完成にたどり着いた。今後もそのマイペースさを軸に人生を切り開いていってほしい。 |
キーワード1 | 原点回帰 |
キーワード2 | ゲーム |
キーワード3 | ノスタルジア |
キーワード4 | レトロ |
キーワード5 | アイデンティティ |
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