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学科 メディア学科
年度 2017
ゼミ名 勝野 宏史
タイトル 権力論と進撃の巨人
内容 権力論とは、フーコーらによる研究領域で、「人々を統制したり、管理したりする力を明らかにする研究」のことである。この権力論を、「ポップカルチャーは社会意識を反映して存在している」というフレドリック・ジェイムソンの「政治的無意識」の考え方を使い、漫画『進撃の巨人』の分析を通して整理する。
「大きな何かとそれに立ち向かう主人公」という構図は、多くの物語が得意としてきた設定であり、それはしばしば何らかの権力のメタファーであった。『進撃の巨人』は権力論の展開に沿うようにして物語が展開している。第1話では絶対服従、王の力を恐れる君主型権力の世界が描かれており、規律や規範が力を持つ規律訓練型権力、共同体や帰属意識の喪失、疑心暗鬼の状況を招くポストモダン化、管理型権力と続いている。『進撃の巨人』には権力論の政治的無意識がはっきりと見られ、これまで議論されてきた権力論や現代思想の流れをわかりやすく物語化してくれていることが明らかになった。
講評 約75,000字という卒論としては稀に見る大作となった。「進撃の巨人」を構成する物語の構造を権力論の系譜を通しての分析で見事に浮かび上がらせた。このプロジェクトを通して斜めから物事を見る視線が確立されたのではないだろうか。今後の人生においても問い続けることを忘れないでほしい。
キーワード1 権力論
キーワード2 政治的無意識
キーワード3 漫画
キーワード4 ポップカルチャー
キーワード5 メタファー
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