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学科 教育文化学科
年度 2008
ゼミ名 沖田 行司
タイトル 近代から現代にかけての学校体罰観の変遷
内容 学校のおける体罰の禁止規定は、明治十二年(1879年)に誕生して以来、現代までほぼ継続して受け継がれている。しかし、実際の学校教育における体罰の認識は肯定と否定とを繰り返しており、必ずしも一定ではなかった。江戸時代には否定であり、明治から第二次世界大戦までは肯定が主であった。そして、第二次世界大戦後は約20年を一周期とし、肯定と否定との往復が続いている。
この往復の原因として、学校秩序への要求が挙げられる。学校秩序の低下によって生徒・児童への指導の強化が期待されると、体罰は肯定される。逆に指導が過分であると判断されると体罰が否定される。しかし、体罰の否定が続くと学校秩序は再び低下し、体罰を肯定する声が再び高まるのである。
そして、現在の体罰観は再び肯定の兆しにある。校内での暴力事件の増加や、学級崩壊やモンスターペアレント等の新しい問題が、学校秩序の低下を表している。そのため、2007年に文部科学省は、児童生徒や教員の危険防止のための行為は体罰に該当しない、などの新しい体罰観を通知した。今後は再び体罰を争う事例が増加すると予想される。
講評 本年度の卒業論文は、日本の近世・近代の人物の教育思想を現代的な視点から再検討を試みたものや、体育会活動など4年間の学生生活を総括しようとする論文もあり、いずれも、読み応えのある個性的な論文が多く見られた。
キーワード1 体罰
キーワード2 学校秩序
キーワード3 体罰肯定論
キーワード4  
キーワード5  
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