詳細
学科 社会学科
年度 2018
ゼミ名 板垣 竜太
タイトル サッカーファン界の構造‐ファン視点からの考察‐
内容 これまでのファン分類では研究者が数百枚単位の質問用紙を配布し、その特徴からファンを分類する手法が一般的だった。しかしこの研究者が主体となった方法ではファンの実感とかけ離れた分類になる可能性があると筆者は考えた。本稿ではファン自身にファンについて問い、分類を行ってもらうことでサッカーファンが形成するサッカーファン界とも呼べる存在を解き明かそうと試みた。調査の結果、上位ファンになるには情報への独自のアクセスを持っていること、情報の受け手ではなく発信源となること、特定のチームへのこだわりがあることが必要とされる。また金銭の投資、プレー経験、試合数、ファン歴などはそれらに比べると評価される順番が後回しにされ、あくまでも付属的な要素として扱われた。中位ファンは情報の受け手である場合が多く、優劣がつきにくく、先ほどの付属的な要素が評価の基準として力を発揮する。下位のファンは普段からサッカーを視聴するかが最も重要視される項目となっていた。サッカーファン界では試合数の視聴、観戦数という最初の関門をクリアしたのち、情報の受け手、情報の発信源となる段階を踏むことで上位のファンへとなっていく。
講評 スポーツファンにおいても芸能ファンにおいても「あいつはコアなファンだ」とか「あいつはファンとはいえない」といったファンどうしの相互評価が存在していることは日頃実感できるところである。本論文は、サッカーファンがどのような基準で自他のファンとしてのレベルを評価しているのかを、ブルデューの「界」概念を援用しながら明らかにしようとした論文である。インタビュイーは同世代の男性6人ということで偏りが否めないものの、自己評価および相互評価の計2回をインタビューし、ファン界のなかで見え隠れしているゲームのルールとでもいうべきものを浮き彫りにした点で興味深い社会学的研究になったと評価できる。
キーワード1 ファン
キーワード2
キーワード3 サッカー
キーワード4  
キーワード5  
戻 る
Copyright (C) Doshisha University All Rights Reserved.