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学科 | 社会学科 |
年度 | 2018 |
ゼミ名 | 板垣 竜太 |
タイトル | ピエール・ブルデューの初期アルジェリア研究について |
内容 | フランスの社会学者ピエール・ブルデュー(Pierre Bourdieu, 1930-2002)は、哲学やアルジェリアの民族学、教育社会学や、フランス本国での文化活動についての調査や権力に対する分析など、幅広い分野で著作を残した。ブルデューの社会学は、初期のアルジェリア研究に出自をもつことがたびたび指摘されながらも、後の理論的な主張との内容の関わりが十分に明らかにされてこなかった。本研究は1950-60年代のアルジェリア研究の検討を通して、ブルデュー社会学の原型を示すことを試みる。分析の結果明らかになったのは、ブルデューの初期アルジェリア研究が植民地主義との関係からアルジェリアをひとつの総体として捉えながら、地域の社会的・歴史的条件や労働状態、当事者の認識をもとに繰り返し区分を試みるという2つのプロセスから成りたっていることである。両プロセスが常に他方を参照しながら行われる点で、初期アルジェリア研究は反省的社会学の原型とみなすことができる。 |
講評 | ブルデューはアルジェリアを自身の社会学の発想の源泉としてしばしば言及してきた。ただ、アルジェリア時代の著述や思考がどのような意味でブルデュー社会学を生成してきたのかは、まだ十分に解明できていない。この論文は1960年前後のブルデューの著作をフランス語原典で読み解き、その問いに答えようと試みたものである。必ずしも論理展開が明快ではなく、結局何が分かったのかが不明瞭であるが、常にリフレクシブな視点をもちながら、分裂したものを総合的に捉えるとともに、階級=分類の多様性を分析するというブルデューの研究姿勢が胚胎していたことを抽出できた点は評価できる。 |
キーワード1 | アルジェリア |
キーワード2 | 分類 |
キーワード3 | 階級 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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