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学科 | 社会学科 |
年度 | 2018 |
ゼミ名 | 藤本 昌代 |
タイトル | 集団組織の維持・崩壊プロセス |
内容 | 本論文は、「集団組織に所属するメンバーがそこから脱退する」という事象を崩壊とし、大学生のよさこいサークルを対象に、組織の崩壊要因を明らかにするものである。 まず、先行研究においての集団の凝集性を高める要素は、意思決定と発言、ネットワーク、動機づけの3つであった。しかしインタビュー調査の結果、これらの欠落は調査対象組織の崩壊の直接的な要因ではなく、「班間の役割葛藤」「交流の欠如」「不統一な意識と方向性」の3つだと分かった。かつ、「他に移動できる所属集団の選択肢を持っていること」が、組織崩壊の最終的な要因だと分かった。よって、組織の凝集性が高まる時の要素と組織崩壊時の要素は、表裏一体ではないことが明らかとなった。 また、成員の脱退により、組織の方針に対して同じ意識を持つ者だけが残り、意識の統一化が図られた。つまり、統一化において集団組織崩壊は、そのファーストステップとして存在していると考えられる。 |
講評 | 本稿は集団・組織の崩壊要因について分析を行ったものである。集団・組織に関する先行研究を丁寧に整理し、集団・組織の凝集性を高める要因についての研究は多いが、崩壊要因について研究されたものが少ないことを踏まえ、集団・組織の凝集性を高める要因の減少が崩壊につながるのかを検討している。結果はハーズバーグを彷彿とさせるような凝集性向上要因と低下(崩壊)要因は異なることを突き止めた。さらに本研究では凝集性が低下した集団・組織のその後を追っており、葛藤を生み出した方針の違いであったが、立て直しのために片方の方針を明確にして成員の募集を行ったところ、その方針を了解した成員により、質的に変化しつつ凝集性を取り戻していく過程を観察している。卒業論文ながら、集団・組織研究における重要な発見をした秀作であるといえよう。 |
キーワード1 | 集団組織 |
キーワード2 | 凝集性 |
キーワード3 | 組織崩壊 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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