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学科 | 社会学科 |
年度 | 2018 |
ゼミ名 | 藤本 昌代 |
タイトル | 変わりゆく銭湯産業の実態―若手経営者による新たな取り組み― |
内容 | 一昔前までは、銭湯は日本人の生活にとってなくてはならないものだった。しかし、内風呂の普及、さらにはスーパー銭湯と言われている入浴施設に加えて食堂などの各種施設・店舗併設している大規模な公衆浴場が登場したことにより、多くの銭湯が経営困難となり、銭湯の軒数は減少の一途をたどっている。しかし近年、銭湯の広い空間を利用したイベントや、若者を意識したデザインやサービスなどの取り組みを行う銭湯が増え、銭湯産業は新しく変化を遂げている時期なのではないかと思われる現象が見られる。銭湯は1つとして同じものはないが、そんな個々の銭湯の良さを分かってもらい、そして守り続けようと、生き残りをかけて創意工夫を凝らしているのである。このような先細りが目に見えている銭湯産業はどのように変化してきているのか、どのように社会に価値を生み出し続けているのか、現代の銭湯産業の実態について経営者5名の語りから明らかにしていく。 |
講評 | 本稿は衰退しつつも継続している銭湯業界について、同郷団体の研究が多い中、これまであまり踏み込まれていなかった継続のための新たな要因の探索や近隣のコミュニティのためだけではない銭湯の在り方など、新しい観点で分析を行っている。本調査で観察されたのは、かつての石川県の同郷団体による地縁・血縁による飛び地ネットワークでの郡部から都市部導入モデルで都市部に定着した人々のその後である。銭湯業界の集団・組織の凝集性は維持されてはいるものの、経営的に危機的状況にある所が多く、新たな取り組みを始めている所が多いため、その人々に現状をインタビューしている。その結果、コンサートやイベント会場として開放することで、遠方から人々が集うイベント型の一時的なコミュニティの形成が見られた。しかし、近隣のコミュニティと異なり、繰り返しの訪問にはならないため、質的向上がないと顧客の支持が得られないという「生活必需場所」から「ビジネス」としての姿勢に目覚める店主が見られた。また、設備投資ができない高齢者経営者の銭湯が継続できている理由として行政からの税制控除が非常に大きいこともインタビューから抽出されている。 |
キーワード1 | 公衆浴場 |
キーワード2 | 経営者 |
キーワード3 | 変革 |
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