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学科 | 社会学科 |
年度 | 2018 |
ゼミ名 | 藤本 昌代 |
タイトル | 不登校の子どもをもつ親と支援先との希薄なつながり ―親の会における活動と相互関係を通して― |
内容 | 近年増加する不登校児童生徒数に伴いその親も増える一方、支援団体である親の会は停滞と減少の傾向にある。本論文は参加者の親と支援先・支援者とのつながりの希薄さに注目し、つながりの切れる要因を明らかにすることを目的とした。親の会3団体への参与観察、支援者と参加者へのインタビュー調査、質問紙調査をもとに分析・考察を行った結果、会の形態によって親と支援先とのつながりに強弱があることが判明した。親が求める目的と会の傾向とのミスマッチが主な要因となり、背景には支援者と参加者のどちらに会の主体が存在するか、参加者同士の交流の度合いが関係していた。参加者の主体的な活動を実現する支援者のファシリテーション能力や参加者同士の人間関係形成の工夫から、新たな参加者も会につながりやすくなると考えられる。支援者は従来のアドバイスに加え、補助的な立ち位置から参加者と共に場を作り出すことがつながりの形成に必要である。 |
講評 | 本稿は不登校の子供をもつ親とその支援団体との関係を分析したものである。本研究は対象者にとって他者に語りたくない繊細な問題であるため、実査自体が難しいと考えられるテーマであるが、支援団体の活動での参与観察、支援者へのインタビュー、直接インタビューを行わないという条件で紙面による不登校の子供をもつ親からの回答を得るなど、得難い情報を集めた労作である。結果は支援団体に親が継続的に関わるものと途中から来なくなるものがあることがわかり、その要因を分析したところ、支援団体には参加者主導型(つらい状態を語り合える場がある)と指導者主導型(支援者がアドバイスを与え、親は聞く立場)が存在することが明らかになった。本稿では親と支援先とのつながりを強めるためには、①参加者が意見や不満点を述べられる環境づくり②支援者がアドバイスを与えるだけでなく補助的役割として参加者同士の関係形成を行う③参加者自身の能動的参加を可能にする支援者のファシリテーション能力が重要だと結論づけられている。 |
キーワード1 | 不登校 |
キーワード2 | 親の会 |
キーワード3 | 支援 |
キーワード4 | つながり |
キーワード5 | |
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