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学科 | 社会学科 |
年度 | 2018 |
ゼミ名 | 藤本 昌代 |
タイトル | 車いすテニスからみる障害者の人権 |
内容 | 現代では、障害者と健常者が平等に生活していくための制度や法律は整いつつあるが、本当に障害者にとって暮らしやすい社会になっているのだろうか。障害を持っていても、スポーツという娯楽があって当然である。本稿では、障害者スポーツの中でも、車いすテニスに焦点を当て、その実態について調査した。現在の日本の車いすテニスの環境は、未だに残る偏見や指導者不足など様々な問題を抱えていた。また、車いすテニスプレーヤーたちは、車いすテニスに対して、「障害者スポーツ」ではなく、1つのスポーツであるという考え方を持っており、ここに健常者との考え方の違いがあった。これらは、健常者や社会の無関心、勝手な思い込みによるものである。しかし、そのような状況の中でも、車いすテニスプレーヤーたちは、自ら車いすテニスができる環境を作り上げており、車いすテニスとの出会いは彼らにとっての生きがいとなっていた。 |
講評 | 本稿は身体障がい者とスポーツという社会問題に取り組み、まだ明らかになっていることが少ない貴重な情報を収集したものである。本調査では健常者には気にならない事がいかに身体障がい者の人権を脅かしているかということを喚起する重要な知見を析出している。対象は車いすテニスを楽しむ人々であり、社会的な設備として、健常者には娯楽が想定されていながら、身体障がい者に対する配慮が非常に不足している現状を既存の調査データの二次分析から提示し、その後、インタビュー調査で車いすテニスに関わる人々から実態に関する情報を得ている。調査の結果、車いすテニスを楽しむ人々には、パラリンピック、全日本レベルの人々でさえトイレの不備を経験しており、中級、初級、初心者に至っては、テニスコートへの入り口のフェンスが車いすが入る幅になっていないなど、身体障がい者がテニスを楽しむことが想定されていない現実があることを見出している。さらに現在の競技用車いすはテニスコートを全く傷つけないのにもかかわらず、「コートに傷がつくかもしれない」という偏見が根強くあることもテニスコート運営者が傷つけられた経験がないのに保有していることも確認している。 |
キーワード1 | 障害者スポーツ |
キーワード2 | 車いすテニス |
キーワード3 | 人権 |
キーワード4 | |
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