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学科 教育文化学科
年度 2018
ゼミ名 山田 礼子
タイトル 人文・社会科学系学生の学習時間と学習成果の関連についての検討 ―個々の学習時間に着目してー
内容 高等教育において学習成果への関心が高まる中、学習時間と学
習成果の関連については、数多くの研究がなされてきた。それ
らの研究では学習時間の内容についてあまり詳細な検討されて
いない点を踏まえ、本研究では様々な形の学習に費やされた時
間それぞれが学習成果に及ぼす影響を明らかにすべく、人文・
社会科学系統の学問を専攻する大学3年生に対する質問紙調査
を行った。結果、知識・技能の獲得に関しては、様々な学習時
間と有意な関係を有するものと、学習時間よりも内容や形式な
どの、学習の質的側面と強く関連するものとが存在したほか、
学習成果の主観的指標として用いたGPAに関しても、学習時間
の種類によって有意な関係を有するものとそうでないものが存
在した。このように学習時間は、その内容や性質によって、学
生の学習成果に対して異なる影響を与えることが確認された。
学習時間と成果の関連についての検討は高等教育の質的向上に
おいて欠かせないものであると考えられ、今後も研究が蓄積さ
れることが望まれる。
講評 本年度の卒業論文を執筆した学生は20000字が13名、10000字(卒業研究)
が1名の計14名であった。今年の学生たちは全体的に時間管理を円滑に進め
たと評価している。一部は、なかなかテーマに沿った課題設定ができずにか
なり迷走したところもあったが、それでも最終的には課題設定を何度も設定
しなおすことにより、論文の構成も矛盾なくできたのではないかと思う。当
該ゼミでは大学院生を交えてのゼミでのディスカッションも日常化している
こともあり、大学院生からのアドバイスを受けることもできるような体制を
構築している。全体として、段階的に提出をしながら、完成に近づけてきた
が、段階ごとに、教員からのコメントを受けて、修正した内容を教員に提出
するというプロセスが比較的機能したのではないか。当該ゼミでは、先行研
究を探し、読むだけではなく、実際にデータを収集し、それを分析すること
が基本となっているため、早期からデータ収集に取り掛からなければ、分析
と卒業論文執筆までこなすことはむずかしい。そうした調査のスケジュール
との兼ね合いという難しい点もあるが、進捗状況をゼミのクラスで発表する
たびに、ゼミ生同志あるいは教員からのアドバイスを受けながら、進めてい
く体制となっている。今年は、質問紙の作成、インタビュー質問の作成、デ
ータ収集等も比較的早期に実施できたことは評価できるが、量的データを用
いてのデータ分析については、多変量解析などに挑戦した学生もいたが、多
くはクロス集計ぐらいのレベルにとどまっていた。ないものねだりではある
が、今年は早めにデータ収集をできた人が多かったこともあり、課題設定に
もとづいてもうすこしチャレンジングな分析手法に取り組んでほしかったと
あえて申し添えておく。
キーワード1 学習時間と学習成果の関連
キーワード2 学習時間の細分化
キーワード3 学習成果としての知識・技能の獲得
キーワード4 学習成果としてのGPA
キーワード5 文科系学生の学習傾向
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