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学科 教育文化学科
年度 2008
ゼミ名 金子 邦秀
タイトル 学力の階層間格差と公立学校の可能性
内容 学力論争は、学力が低下したのか、していないのかという議論ばかりなされているが、まずは子どもたちの学力の実態を見つめることが重要である。子どもたちの学力は確実に低下している。問題は、学力テストの結果に高得点層と低得点層の二極化が表れており、低得点層が学力を押し下げているという実態である。この二極化には出身階層の影響が強く表れており、家庭での文化的環境が子どもの学力を左右している。また、学力格差は学校内だけでなく学校間の格差も生み出す。出身階層が及ぼす学力格差は、子どもたちの学習意欲に対する格差をも生み出し、そのような意欲の格差は学校という枠を越え、将来的には「希望の格差」にもつながる。このような事態に対処するためには「効果のある学校」が実践しているような「低学力層」を発見する現状把握と低学力層の基礎学力を保障する授業改革が必要となる。公立学校での取り組み次第で学力の格差は克服できるのである。
講評  今年の卒論は全体としては各テーマに着いて、文献にあたったり、学校を訪問したりして、比較的無難にまとめたものが多かった。比較的よくできていたものは、テーマを絞り込み、それについて深く掘り下げた数点の卒論があった。なかでも、自らエヂュテイメント・ソフトの開発をこころみたもの、授業における技術(発問)にしぼったものなどが優
れていた。
しかし、それらを含めて、周辺にまで視野を広げ、その研究をどう位置づけるのかという視点が共通してやや不足していたのではないかという点が、問題点であるとともに、指導した私自身の今後の課題となった。
キーワード1 学力格差
キーワード2 出身階層
キーワード3 効果のある学校
キーワード4  
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