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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2018 |
ゼミ名 | 寺井 基博 |
タイトル | 働き方改革後の非正規労働者について |
内容 | 本論文では、働き方改革によって非正規労働者の低賃金問題、処遇や待遇は改善されるのか。そして、働き方改革が目指す「働く一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにする」ことは果たして可能なのかを考察している。現状の確認のため、まず初めに非正規労働者の賃金が低い理由、処遇や待遇が改善されていない理由について最低賃金や日本の雇用慣行、女性という視点からまとめている。その後、働き方改革の概要や働き方改革を推進するための関係法律を確認しながら、現状どういった取り組みがなされているのかを確認し、以上の現状を踏まえ働き方改革によって非正規労働者にどのような変化があるのかを働き方改革に対する疑問点を通して考察した。 私が出した結論は働き方改革を通して非正規労働者の賃金・処遇や待遇は少しずつ良くなっていくが、一人ひとりがより良い将来の展望を持って働くまではいかないというものである。賃金面においては全国加重平均が1000円になったとしても「ふつうの暮らし」が出来るだけの金額が稼げず、処遇や待遇面においては昇給や昇格、正社員への転換者の少なさや正社員が利用している制度を利用できていない人が半数以上いるといった問題がある。働き方改革を一つのきっかけに今後も様々な法律や制度の改善・見直しが必要である。 |
講評 | 本論文は、働き方改革によって、一人ひとりがより良い将来の展望を現実に持つことができるのかを、最低賃金、非正規労働者の賃金水準、労働時間などの具体的観点から実現可能性を検証する論考である。とくに、非正規労働者の賃金水準に関して、同一労働同一賃金原則が実施されても、社員区分と担当業務の明確化によって、従来の正規・非正規労働者の処遇格差が正当化されるだけであり、処遇の改善は進まないと指摘する。よく考えられた論文である。 |
キーワード1 | 働き方改革 |
キーワード2 | 非正規労働者 |
キーワード3 | 最低賃金 |
キーワード4 | 処遇・待遇 |
キーワード5 | |
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