| 詳細 | |
|---|---|
| 学科 | 産業関係学科 |
| 年度 | 2018 |
| ゼミ名 | 寺井 基博 |
| タイトル | 「労働者を追いつめる 見えない圧力と暴力」 |
| 内容 | 本論文では、日本人労働者はなぜストレスを感じて心身ともに不調となるまで同じ会社で働き続けるのか。また、なぜ日本人労働者は、「早く仕事を片付けなければならない」等という感情を抱くのかについて、日米の労使関係を比較することで明らかにしたいと考えている。 第1章では、日本企業社会におけるメンタルヘルス問題の現状について取り上げた。厚生労働省の「過労死等の労災補償状況」によると、1999年を境にして労災補償の件数が増加の一途を辿っており、日本企業において依然としてメンタルヘルスの問題が改善されていないことがわかった。第2章では、ヨーロッパにおける「モラル・ハラスメント」について取り上げた。「モラル・ハラスメント」とは、言葉や態度によって、人の心を傷つける精神的な暴力である。その原因は、「組織的決定要因」「現代社会の変動」「個人的決定要因」の3つがある。「モラル・ハラスメント」は、個人間の人間関係の問題ではなく、個人を対象としている集団的な暴力の発現なのである。第3章では、日米の労使関係を比較することで、日本の労使関係が労働者にどのような影響を与えているのか見ていき、第4章では考察を述べている。 |
| 講評 | 本論文は、メンタルヘルスの主な原因とされるストレスの構造について、モラルハラスメントの観点から説明を試みた論考である。フランス人精神科医の研究に沿って社会心理学的な点から欧州での議論が整理される一方で、日本に関しては労使関係の観点からのアプローチが試みられている。日欧のそれぞれの考察の関連性や違いについての検討があればなおよかった。この点については、これから仕事に従事する中で自らの見解を見出してもらいたい。 |
| キーワード１ | ストレス |
| キーワード２ | モラル・ハラスメント |
| キーワード３ | 規範意識 |
| キーワード４ | 企業文化 |
| キーワード５ | 労使関係 |
| 戻 る | |