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学科 産業関係学科
年度 2018
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 第四次産業革命と雇用問題
内容 本論文では、人工知能(AI)を中心とする第四次産業革命が今後30年間の私たちの雇用にどのように影響を与えるのかを考え、この問題に対処するためにどのような政策を行うことが必要なのか提案する。
まず、過去の産業革命の歴史を振り返り、第一次から第三次までの産業革命がどのようにして技術的失業という問題を乗り越えてきたかを調べた。
次に、これから本格化する第四次産業革命でどのような雇用問題が起きるのかを考察した。現在の人工知能の技術や既に人工知能によって雇用に影響が出ている例なども用いて、第四次産業革命の進展とともに人間の仕事を人工知能が代替し、雇用に大きな影響を及ぼすと考えた。そして、野村総合研究所やマッキンゼーなどの研究報告、人口予想の統計などから、日本の30年後人間の雇用が43%余剰になると推測した。
次に、この結果から日本が30年後にどのような社会になるのかを考察し、デストピア的社会とユートピア的社会の2パターンの未来を考えた。
最後に、将来の日本がデストピア的社会になることを避け、ユートピア的社会に導くために、どのような政策が必要であるかを提案する。筆者は、最も重要なのは、政府が法律と規制によって社会全体でワークシェアリングを進めることであると結論づけた。
講評 ここ数年と比べて熱心に取り組んだゼミ生が多かったとは思うけれど、今年も卒論は二極化していた。卒論の提出にあたっては様々な約束事がある。たとえば提出日だとか字数、つけるべき付属の文書などの形式的な事柄である。これらの形式的な事柄をそつ無くクリアーしている卒論は、卒論としての水準が相対的に高く、これらの形式をなんとかクリアーしたものは前者に及ばない。卒論はもちろん中身が大切??卒論に限らずあらゆる表現はそうなのだが??なのだが、けっきょく内容は形式に規定されてしまうのだ。それに加え、大学4年間で学んだものすべてが、卒論には結実しているとも感じた。授業でのレポートに真摯に取り組んでいたのかいないのかが、卒論には現れてしまっていた。当然のことなのかもしれない。昨日まで書いていたレポートにおいて、てにをはの整った日本語の文章が書けない人が、卒論になったからといって突然書けるわけがないのだから。きちんとした卒論を書くことは文系大学生としての最低限だと私は考えている。なぜなら文系大学生は、卒業後けっきょく言葉と言葉に基づいて行う行為である思考を武器に仕事をしていくからだ。だから学生時代の4年間を大切にしてほしいと思う。
もう一点、テーマ設定に関わって感じたことがある。数年前から感じてはいたのだが、労働??雇用されて働くことといってよい??が若い人の中でone of them になってきているということである。直接的に仕事と私生活のバランスについて取り上げていない卒論であっても、つまるところ仕事と私生活のバランスについて取り上げている卒論が多かった。これは私が大学生であった頃には考えられないことである。たとえば男子学生が女性労働者の活躍について書くなどということはありえないことであった。しかし、数年前から、女性労働者を取り上げる男子学生がポツポツと現れ始めた。日本社会自体の変化を反映しているのかもしれない。こういう形で今に出会えるのも教員という仕事の面白さかもしれない。
キーワード1 人工知能(AI)
キーワード2 失業
キーワード3 ワークシェアリング
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