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学科 産業関係学科
年度 2018
ゼミ名 三山 雅子
タイトル インバウンドによる持続可能な地方
内容 2040年までに半数の自治体が消滅すると言及した増田レポートが2013年に発表されて以来、政府や各自治体は地方活性化に取り組んできた。しかし成功している地方はまだまだ少数である。
地域活性化には様々な方法がある。しかしどの方法を取るにせよ、地域活性化に必要なのは「外貨」を稼ぐことである。ここでの外貨とは地域外のお金の事を指す。地域の外にあるお金を取得してこそ地方は活性化していくのである。
そこで本稿では地域活性化に成功した事で有名な神山町や上勝町など有能な人材や豊富な資源がある限られた地方だけでなく、大多数の地方でも可能な外貨の取得方法として外国人旅行者対象の観光事業であるインバウンドを提案する。
インバウンドの取り組みで重要なのは「インバウンド客を増やす」、「消費単価を上げる」「域内調達率を高める」という3つの要素に注目した取り組みを行う事である。この3つの要素はインバウンドが及ぼす経済効果を増やす効果がある。これら3つの要素に注目した取り組みを行えば多くの地方で一定の効果があると考える。しかし取り組みの主役は自治体ではなく、民間組織と住民の方々である。地域に住む人々が立ち上がって初めて、地方活性化は達成されるのである。
講評 ここ数年と比べて熱心に取り組んだゼミ生が多かったとは思うけれど、今年も卒論は二極化していた。卒論の提出にあたっては様々な約束事がある。たとえば提出日だとか字数、つけるべき付属の文書などの形式的な事柄である。これらの形式的な事柄をそつ無くクリアーしている卒論は、卒論としての水準が相対的に高く、これらの形式をなんとかクリアーしたものは前者に及ばない。卒論はもちろん中身が大切??卒論に限らずあらゆる表現はそうなのだが??なのだが、けっきょく内容は形式に規定されてしまうのだ。それに加え、大学4年間で学んだものすべてが、卒論には結実しているとも感じた。授業でのレポートに真摯に取り組んでいたのかいないのかが、卒論には現れてしまっていた。当然のことなのかもしれない。昨日まで書いていたレポートにおいて、てにをはの整った日本語の文章が書けない人が、卒論になったからといって突然書けるわけがないのだから。きちんとした卒論を書くことは文系大学生としての最低限だと私は考えている。なぜなら文系大学生は、卒業後けっきょく言葉と言葉に基づいて行う行為である思考を武器に仕事をしていくからだ。だから学生時代の4年間を大切にしてほしいと思う。
もう一点、テーマ設定に関わって感じたことがある。数年前から感じてはいたのだが、労働??雇用されて働くことといってよい??が若い人の中でone of them になってきているということである。直接的に仕事と私生活のバランスについて取り上げていない卒論であっても、つまるところ仕事と私生活のバランスについて取り上げている卒論が多かった。これは私が大学生であった頃には考えられないことである。たとえば男子学生が女性労働者の活躍について書くなどということはありえないことであった。しかし、数年前から、女性労働者を取り上げる男子学生がポツポツと現れ始めた。日本社会自体の変化を反映しているのかもしれない。こういう形で今に出会えるのも教員という仕事の面白さかもしれない。
キーワード1 地方衰退
キーワード2 外貨
キーワード3 インバウンド
キーワード4 持続可能な地方
キーワード5  
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