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学科 産業関係学科
年度 2018
ゼミ名 樋口 純平
タイトル 日本企業の英語運用能力向上への取り組み
内容 日本の人口減少やGDP国際比較や将来予測などから分かるように今後の日本国内における市場縮小は避けられない。そこで現在多くの日本企業は国内だけでなく、海外まで企業の規模を広げている。しかし、日本企業の海外進出の課題は圧倒的なグローバル人材不足であることが分かった。グローバル人材に求められる代表的な能力としては、英語力やコミュニケーション能力などが挙げられるが、多くの日本企業では、グローバル人材の育成のゴール(人財像、要件等)や手法が定まっておらず、仕組みが整備されていない。
その中で、英語を社内の公用語にし、先進的に英語でのビジネスを進めている企業がある。社内英語公用語化にはコスト削減などのメリットがある反面、英語能力の有無で収入格差が生まれるのではないかなどの反対意見も存在する。このような意見を解決するものとしてビジネス用に開発された簡易版の英語であるGlobishについて紹介する。Globishが求めるものは、完璧さではなく、分かりやすさであるため、使用する単語は1500字のみなどの厳格なルールが存在する。Globishが世界中で広まることで、英語におけるビジネスコミュニケーションはより効率的に進むようになるだろう。
社内英語公用語化を実際に導入している企業の例として楽天を取り上げ、導入の背景や流れを整理する中で、トップダウン型での意思決定であること、社員の英語能力を数値化し、徹底的に管理しているなどの特徴があることが分かった。
講評 卒業論文の作成にあたっては、自分が関心を持ったテーマについて、いろいろと本を読んでみてよかった、多少は苦しいながらも書き進める中に楽しさや充実感があった、と感じてほしいと思う。自分自身に向けて書く、という気持ちが大切と思う。

とはいえ、単なる自己満足に終わってもよくない。自分の設定したテーマについて、先行研究は何を語っているか、現状はどうなっているのか、を知る必要がある。すると、通常は、よく調べるほど自分に語るべきことがあまり残されていないことに気づく。そもそも、卒業論文でオリジナリティのある事実発見や考察を行うことは、たいへんむずかしい。それでも、先行研究を追いかけながら、自分なりに納得のゆくストーリーを展開することはできる。また、少数でもよく選んだ文献と格闘することで、意義のある考察をすることもできる。

 本年度の樋口ゼミ生の卒業論文は、どうであったか。テーマ設定としては昨年度に引き続きワークライフバランスを始めとした働き方改革について論じたものが中心となったが、自身の就職先企業や業種と関連づけて研究を行ったものも少なくなかった。商社に就職する者は商社マンのキャリア形成を題材としたり、種苗会社に就職する者は農業の海外進出を題材としたり、いずれも自身の将来に直接関係するテーマを取り上げたものである。こうしたタイプの研究には、メリットが少なからず存在するように思われる。社内のつてを頼りにインタビュー調査を実施したり社内資料にあたったりすることができるし、何より自身のより直接的な問題関心に支えられた研究のモチベーションを得ることができる。一方、働き方改革について論じた研究では、長時間労働の是正に関する比較的オーソドックスなものから地方公自治体のワークライフバランスのようなユニークなものまで、その切り口に自己の問題関心や個性が表れていたと思う。また、先行研究の豊富なテーマでは文献の渉猟が求められ、先行研究の乏しいテーマでは事例分析等にもとづいた自身の概念構成力が問われた。

 以上のような本年度の卒業論文は、総じて構想から準備、執筆に至るプロセスが順調に進められたという印象がある。一方、総じて先行研究の検討に不十分さが見られることも否定しがたい。この点は、来年度に向けた教員自身の課題でもある。


キーワード1 グローバル人材
キーワード2 社内英語公用語化
キーワード3 Globish
キーワード4 楽天
キーワード5  
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