詳細 | |
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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2018 |
ゼミ名 | 樋口 純平 |
タイトル | 地方自治体のワーク・ライフ・バランス施策 |
内容 | 「ワーク・ライフ・バランス」が近年注目されている。政府、企業の取り組みなどがメディアなどで話題になっている。その中で、深く議論されていない印象のある地方自治体のワーク・ライフ・バランス施策について筆者は興味を持ち、その実態を明らかにすべく研究した。 企業・国家公務員・地方自治体の施策の比較を基に、2つの結論を導き出した。1つ目は地方自治体のワーク・ライフ・バランス施策は多種多様であるということである。同じ「公務員」である国家公務員の施策が画一性を持つのに対し、自治体の施策は多様である。むしろ、企業に近いスタンスであるとした。要因として、自治体は地域の実情に応じた施策を策定していることや規模の大きさとその財政状況の違いを考察として挙げている。 また、雇用機会均等策はどの自治体でも一定の充実度を持つ反面、両立支援策は規模によって充実度に差が見られた。さらに、その効果にも開きが見られた。このことから、地方自治体、特に小規模自治体では両施策のアンバランスが発生している場合があり、施策の効果の最大化ができていないとした。ゆえに、施策の連携やバランスを意識した施策策定が求められると結論づけている。 |
講評 | 卒業論文の作成にあたっては、自分が関心を持ったテーマについて、いろいろと本を読んでみてよかった、多少は苦しいながらも書き進める中に楽しさや充実感があった、と感じてほしいと思う。自分自身に向けて書く、という気持ちが大切と思う。 とはいえ、単なる自己満足に終わってもよくない。自分の設定したテーマについて、先行研究は何を語っているか、現状はどうなっているのか、を知る必要がある。すると、通常は、よく調べるほど自分に語るべきことがあまり残されていないことに気づく。そもそも、卒業論文でオリジナリティのある事実発見や考察を行うことは、たいへんむずかしい。それでも、先行研究を追いかけながら、自分なりに納得のゆくストーリーを展開することはできる。また、少数でもよく選んだ文献と格闘することで、意義のある考察をすることもできる。 本年度の樋口ゼミ生の卒業論文は、どうであったか。テーマ設定としては昨年度に引き続きワークライフバランスを始めとした働き方改革について論じたものが中心となったが、自身の就職先企業や業種と関連づけて研究を行ったものも少なくなかった。商社に就職する者は商社マンのキャリア形成を題材としたり、種苗会社に就職する者は農業の海外進出を題材としたり、いずれも自身の将来に直接関係するテーマを取り上げたものである。こうしたタイプの研究には、メリットが少なからず存在するように思われる。社内のつてを頼りにインタビュー調査を実施したり社内資料にあたったりすることができるし、何より自身のより直接的な問題関心に支えられた研究のモチベーションを得ることができる。一方、働き方改革について論じた研究では、長時間労働の是正に関する比較的オーソドックスなものから地方公自治体のワークライフバランスのようなユニークなものまで、その切り口に自己の問題関心や個性が表れていたと思う。また、先行研究の豊富なテーマでは文献の渉猟が求められ、先行研究の乏しいテーマでは事例分析等にもとづいた自身の概念構成力が問われた。 以上のような本年度の卒業論文は、総じて構想から準備、執筆に至るプロセスが順調に進められたという印象がある。一方、総じて先行研究の検討に不十分さが見られることも否定しがたい。この点は、来年度に向けた教員自身の課題でもある。 |
キーワード1 | ワーク・ライフ・バランス施策 |
キーワード2 | 地方自治体 |
キーワード3 | 両立支援策 |
キーワード4 | 均等策 |
キーワード5 | |
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