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学科 メディア学科
年度 2018
ゼミ名 佐伯 順子
タイトル なぜ『逃げ恥』ブームは起きたのか~SNS世代の価値観から探るヒットの要因~
内容 『逃げるは恥だが役に立つ』(2016)は、テレビ離れや恋愛離れが進む中で徐々に視聴率を上げていくという異例のヒットを記録した。本論文では作品のヒットの要因をSNS世代の価値観との関係で明らかにしようとするものである。そのためにまず、SNS世代のメディア環境と恋愛の実態を明らかにし、登場人物への共感ポイントや社会との符号点を見つける。次に、映像分析として「社会的テーマ・ディテイル・パロディ・ムズキュン」の四つに分類しそのシーンをできる限り抽出し、主題歌分析としても作品との関係に言及する。次に作品に対するSNS世代の反響と新聞記事から読み取れる社会の反応、経済的影響を読み解く。最後に作品に施されているメディア戦略としてのコンテンツ力と制作側のコメントから見えてくるクリエイティビティを分析する。そして第一章から第四章までの作品に対する解釈から、最初に目標としていた本作のヒットの要因を明らかにする。
講評 テレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』のヒットの要因を、SNS世代の価値観と関連付けて考察した。日本で放送されたテレビドラマ全体のなかでの当該ドラマの位置づけを明確にした上で、独自のアンケート調査と、外部調査の結果を組み合わせ、現代社会を生きるSNS世代においては、昭和の画一的な結婚観、幸せ観が大幅に変化し、多様化した現実における結婚観の実態に即したメッセージをドラマが的確に表現したため、オーディエンスの共感を得たことを明らかにした。漫画では女性読者が中心であったこのコンテンツが、ドラマ化されて男女関係なくヒットしたことも指摘しつつ、SNS上のドラマへの反応を調査することでオーディエンス分析も行い、ドラマ研究には必須の映像分析、台詞分析を通じて、詳細なドラマ自体の内容分析も行った。さらに、新聞記事の検索も含めて、他メディアにみるドラマに対する社会的反応も調査し、ジェンダー論における性別役割分業に関する議論も組み込みつつ、ダンスというパフォーマンスや、企業とのコラボレーションなど、多角的に展開したこのドラマのヒットの様相を明らかにすることで、SNS時代のヒットドラマに必要な要因が何であるかを詳細に論じた。テレビドラマ離れといわれる俗説に抗して、ドラマのコンテンツ力を示し、否定的な意見もとりこみつつ、テレビというメディアの可能性を示す業界への提言ともなっている本論文は、SNS時代におけるテレビ番組研究の模範ともなりえる力作である。
キーワード1 逃げ恥
キーワード2 SNS世代
キーワード3 メディア戦略
キーワード4 恋愛離れ
キーワード5 テレビ離れ
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