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学科 メディア学科
年度 2018
ゼミ名 佐伯 順子
タイトル メディアにおける涙の描写-ジェンダー的視点からの考察-
内容 「男は涙を我慢するもの」や「涙は女の武器」などという考えや認識を、メディアを通して持った、あるいは、そのような言葉をメディアの中で見聞きしたという人は多いだろう。本論文では、人々の「男=泣かないもの」というイメージ形成において、メディアが社会に対して知らず知らずのうちに影響を与えているのではないか、さらに、「弱みを見せない」などという?男の美学”の形成をメディアが助長しているのではないかといった仮説を検証しながらも、メディアの涙描写をジェンダー的視点から分析し、様々なことを明らかにしていく。日本男児の、実生活とメディアの中での泣き歴史を紐解きつつ、テレビドラマや映画、アニメといった映像媒体から、絵本や漫画、新聞といった紙媒体に至るまで、あらゆるメディアの内容を分析し、そこに表現されている涙に関わる描写をジェンダーの視点で考察する。また、性別のボーダレス化が進むと予想されるなか、メディアにおける涙描写の今後についても触れる。
講評 メディアにおける涙の描写を、テレビドラマ、映画、絵本、新聞が報道する涙関係の情報と、多岐にわたる事例の分析をもとに考察した。特に、ジェンダー論の観点から、「日本男児」の泣く歴史について、実生活とメディアの両面を比較考察し、近年のテレビドラマにおいては、男性が泣く場面が入ることで、視聴率やSNSでの視聴者の関心が高まることを、データを通じて実証的に明らかにした。ドラマ、アニメの分析においては、複数の事例のなかの男性登場人物が泣く場面を丹念に抽出し、映像、台詞分析を含む高度な質的分析を行った。研究対象が広範囲にわたったため、一部は概説的になった傾向もあるが、「涙」という要素に焦点をしぼって、できる限り多くの論点をカバーしようとした姿勢は高く評価できる。
キーワード1
キーワード2 メディア描写
キーワード3 ジェンダー
キーワード4 男泣き
キーワード5  
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