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学科 メディア学科
年度 2018
ゼミ名 佐伯 順子
タイトル 劇団四季と訳詞~ディズニー・ミュージカルから読み解く~
内容 劇団四季とは、俳優・スタッフ合計約1300名で組織された、世界的に見ても最大規模の演劇集団である。年間の総公演回数は3000回以上、総観客数は300万人を超える。本論文では四季が上演してきたディズニー・ミュージカルの歌詞に注目し、映画版のものと比較することで訳詞の本質に迫る。四季は設立当初より、難解であった演劇を多くの観客に「分かるもの」として提供すべく、台本や朗唱法、つまり言葉にこだわりを持ち続けてきた。1995年より、四季は主・にブロードウェイで上演されていたディズニー・ミュージカルの日本語版上演を手掛け始める。オリジナル版をそのまま上演するのではなく、日本版独自の「補強」がなされている点からは、四季とディズニーの信頼関係が伺える。また、四季の訳詞は方言やジェンダー表現と言った日本語特有の多様性が上手く利用されている。四季の訳詞は国内外からも評価を得ているが、設立当初から持ち続けてきた四季の言葉へのこだわりによるものであると言えるだろう。
講評 本論文は劇団四季の歴史をふまえつつ、四季がアレンジしたディズニーのミュージカルが、原作アニメ、英語版ミュージカルから、四季の上演へと変化する過程において、原詞と訳詞の間にどのような差異が生じるかを、質的な言説分析の方法論を用いて検討した。その結果、日本語と英語では、歌詞に含むことができる情報量に違いが生じ、翻訳者が、原詞にはない方言やジェンダー表現を加えることで、日本のオーディエンスの理解を助ける独自の工夫を施していることを明らかにした。劇団四季発行のプログラムや雑誌情報を参照することで、メディア学的な資料も利用しつつ、本論文は、歌詞の翻訳という、オーディエンスに必ずしも十分に注目されない仕事の重要性を明らかにするという成果をあげた。
キーワード1 劇団四季
キーワード2 ディズニーミュージカル
キーワード3 訳詞
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