詳細 | |
---|---|
学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2008 |
ゼミ名 | 越水 雄二 |
タイトル | 少数言語ブルトン語復権運動―ブルターニュ地域圏における地域語への取り組み― |
内容 | 世界には約5,000の言語があり、約4,500が少数言語と数えられる。その中で、民族的、政治的問題と複雑に関わり合いながら復権を遂げたフランス、ブルターニュ地域圏のブルトン語は、ケルト文化の中で生きづいてきた言葉である。しかし、今や多文化主義を称するフランスでさえ、大国形成のためにフランス語以外の言語の使用を家庭内外で禁止した経緯がある。本稿では、主に公立学校における教育政策や、ブルトン語のイマージョン教育を推し進めたディワン学校、地域民による文化、メディア活動などを考察し、ブルターニュの人々がどのようにして政治権力との関わりの中で、自らの言語を復権させたのかを明らかにする。 復権したとはいえ、少数言語に変わりないこの言語が、「安全な」少数言語に辿り着いた背景には、地域民の多大な努力とアイデンティティがあり、また近年の欧州、又はフランスの地域語への積極的姿勢は、これを促すものであった。 |
講評 | このゼミでは、西洋の教育文化にかかわる研究テーマを一人ひとりが自分の興味関心に基づいて定め、およそ一年間―中には構想段階から一年半近く―、卒業論文に取り組んできました。2万字の卒論を執筆したのが12名、1万字の卒論を執筆したのが4名です。提出された各論文は、先行研究を超える独創的な成果に至ったものは残念ながらありませんが、著者の努力と工夫の跡が窺える点ではユニークな学習と考察の成果と評価できます。 ゼミ生を指導したというよりも、私は皆さんの卒論作成に併走しながら、さまざまな問題について学び、考える機会をもたせてもらいました。中には、おそらく一生、自分自身からは決して着目しなかっただろうと思うテーマもあり、それらを扱う卒論に出会えたことをありがたく感じています。また、自分も知っている、あるいは考えた経験をもつテーマについても、他者の視点からの調査と検討を媒介にして改めて理解を深められ、うれしく思います。こうした感謝や喜びの気持ちは、ゼミ生同士でも共有されているでしょう。 |
キーワード1 | ブルトン語 |
キーワード2 | 民族的アイデンティティ |
キーワード3 | ディワン学校 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
戻 る |