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学科 | メディア学科 |
年度 | 2018 |
ゼミ名 | 竹内 幸絵 |
タイトル | 理想の顔は、お金で買う ―なぜ整形ブームは起きているのか― |
内容 | 容姿に関する願望やコンプレックスをもっている人は少なくないにもかかわらず、これまで美容整形は一般的なものとして認識されてこなかった。それが今、若い女性を中心に広まっている。私たちの体は、個人が勝手に手を加えてはならないと考えられてきたが、美容整形とメディアや人との関係、特にSNSが与える影響に注目して研究を進めた結果、最近は、人工的な力によって形を変えることに抵抗を感じない人が増えていると分かった。「親からもらった体に傷をつけるなんて」と否定的に考えられていた美容整形は、「理想の自分になるため」に行われ、社会で受け入れられるようになってきている。その要因として、SNSにアップする写真や動画のうつりを気にする若者、SNSで美容整形に関する情報収集や交流を行う整形アカウント、整形により人生を前向きに変えて人気となっている人物、美容整形を肯定的に扱うようになったマスメディアの存在が考えられる。 |
講評 | 「美容整形の一般化」。このテーマにしたいと春に提示して以降、ぶれることなくテーマを貫いた。従来日本では美容整形に対し、つらい状況にある人が大変身するためのもの、よって社会に公表しにくいもの、という認識が根強かった。機能的には問題ないがより「美しく」、つまり美容目的で手を加えることは日本ではタブー視されてきたともいえるだろう。これがここ数年で若い人を中心に変わってきているのではないかというのだ。 論文では「美容整形とSNSとの関係」「美容整形を公表する人たち」「美容整形とマスメディアの関係」という3つの角度からこの変化を検討した。ツイッターのキーワード検索からも情報を得て、自撮りと他撮りの差や、アプリで加工したような顔になりたいという欲望の発生、あるいはスナップチャット症候群や、美容整形専門のSNSサークルの存在といった、次々と見つかる多くのエビデンスの整理に苦慮しながらも、論文に積み上げていってくれた。 カミングアウトしたユーチューバーの「整形は努力して痛みに耐えて手に入れる自分の顔だ」という自信に満ちた発言が極めて印象的である。YouTubeという媒体では、マスコミから操作される自分像ではなく、自分の考えを自分自身で伝えることができる。この新たな媒体が、整形が前向きにとらえられるようになる一つのきっかけだったという深い考察もなされた。執筆中にテレビや雑誌で次々と特集が組まれるなど正にタイムリーなテーマに果敢に取り組んだ点も高く評価したい。 |
キーワード1 | 美容整形 |
キーワード2 | 整形カミングアウト |
キーワード3 | SNS |
キーワード4 | マスメディア |
キーワード5 | 女性同士のネットワーク |
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