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学科 メディア学科
年度 2018
ゼミ名 竹内 幸絵
タイトル 趣味の格差―何故ゲームは嫌われているのか―
内容 本論文は、趣味がゲームであることの印象の悪さに疑問を感じたことから、世間が持つゲームへの印象を明らかにし、ゲームが批判される原因を探る事が目的である。そのため、「ゲームが批判されるのはゲームに暴力性が備わっていると捉えられるからだ」という仮説をはじめに立てた。研究は、アンケート調査・インタビュー調査を用い、得たデータから分析を進めていく。この研究・分析から、以下の考察が導き出された。「ゲーム」自体に暴力性が備わっているとは捉えられていないが、「趣味がゲームの人」には暴力性が備わっていると捉えられている。また、暴力性以外にも、悪印象に繋がる「内向的」「現実逃避」の2つの要素が「趣味がゲームの人」には含まれている。従って、ゲームがしばしば批判の対象に上がる原因は、「ゲーム」にあるのではなく、「趣味がゲームの人」の持つ印象にあるという結論に至った。
講評 なぜゲームは嫌われているのか。1回生のときからゲームが好き!と強く主張していた彼女は、卒論の題名を「趣味の格差」とつけた。趣味はゲームです、がなぜ悪い印象を持たれるのか。このシンプルでしかし奥深い疑問が彼女のテーマである。このテーマの攻略のためにゲームの歴史を紐解いた彼女は、2章2項に「ゲーム批判の誕生」というこれまた印象的な題名をつけた。1979年にスペースインベーダーが札幌市学校教護協会から反発を受けたことを新聞記事から探し当て、これをゲーム批判の先駆けとする。本論文はこのように新聞記事などの過去のメディアが構築してきたゲームのイメージを考証する前半と、同年代へのアンケートに基づく、ゲームへの印象の詳細調査という二部構成になっている。
印象が良い趣味には読書=知的、スポーツ=外交的といった要素があるが、悪い趣味には 内向的、暴力性、金銭感覚、現実逃避といった要素があると指摘したうえで、アンケートではゲームそれぞれと、ゲームという総体の印象について確認していった。ゲーム自体のことを訪ねているのに、そのゲームで遊んでいる人への印象が答えられたり、ゲームは皆で遊ぶものと答えていた人に、ゲームをしている人の印象をと尋ねると、一人でしている根暗なイメージと答える。アンケートでの解答の矛盾が、彼女の問いへの一つの答えになった。
念願のゲーム業界での就職を決めた彼女のこれからに強い力となる立派な論文に仕上がった。新しいメディアは何らかの批判対象になりやすい。彼女の力でゲームの市民権が広がる日も近いだろう。
キーワード1 ゲーム
キーワード2 ゲーマー
キーワード3 対人要素
キーワード4 現実逃避
キーワード5 暴力性
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