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学科 メディア学科
年度 2018
ゼミ名 竹内 幸絵
タイトル 地域活性化を目指すアート・プロジェクト―地域と交流するアーティストとアート作品―
内容 過疎化・高齢化が進む地域で芸術祭や現代アート作品により、地域活性化を目指すアート・プロジェクトの活動が注目されている。アート・プロジェクトには、地域の人々と地域外の人々との交流を生み出す特徴がある為だ。また地域活性化の活動の成功には、交流を促進する為に、地域の人々にとって驚き・共感・理解できる要素が必要だと言う。本論文では、アート・プロジェクトを取り入れ始めた糸島市と百島を訪問し、交流を生み出して地域活性化に貢献しているのかを調査した。調査の結果、地域の人々は交流を生み出している活動とは感じていない事が分かった。その課題として、地域の人々とアーティストが十分に交流していない事やアート作品が地域の人々に理解されていない事などが考えられる。これらの課題と成功事例から、アーティストやアート作品が地域に歩み寄る事が成功する為に大切だと結論付けた。
講評 近年日本各地で盛んとなっているアートプロジェクト。この現象に興味を持った筆者は、現代アートと地域活性化というテーマを設定した。地域活性化を目指すアートプロジェクトとは何か、何が成功を導くのか。あるいは何が成功だと言えるのか。これが本論文の探求テーマである。「地域(ローカル)」に足をつけて調査し考えたいという、現場主義、フィールドワークを元にした論文である。
論文前半では日本において美術のフィールドが屋外へと拡大していった歴史を概観している。1950年代には空間への関心から美術館以外へと展示スペースが広がり、1980年代にはその土地だけのもの、という場への関心が、地域に根ざすアートの先駆けを作り出していく。1990年代にそれは直島が代表的な成功事例として一種の社会現象となる。災害復興に貢献できるといった地域活性化への関心からも拡大していく。
執筆者は、こうした成功例とは逆に成功していると思えない事例(百島)に自ら足を運び、インタビューを試みている。アーティストと地域の人双方の声を拾い、廃中学校や屋外に設置されたアートと地域の人たちの意識のずれをあぶりだす。彼女の提言はアートが地域や人々に歩み寄ることの必要性だ。地域の魅力を活かしたアートに地域の人たち自身が驚き、アーティストとの交流を深める。アートに共感し誇りに思う地域の人がいて初めて、外部の人たちをも惹きつける。それによって地域に人々が集まり、新たな魅力になり、地域活性化に繋がるのだと論文を締める。
春から地域と観光を考える職に就く彼女が、ローカルとアートという題材を深めた本研究の経験は大きな力となることだろう。
キーワード1 アート・プロジェクト
キーワード2 地域活性化
キーワード3 交流
キーワード4 サイト・スペシフィック
キーワード5  
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