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学科 | メディア学科 |
年度 | 2018 |
ゼミ名 | 竹内 幸絵 |
タイトル | 連続テレビ小説「カーネーション 」の新しさとは ー「ヒロイン像」と「脚本」の観点からー |
内容 | NHKの放送する朝の連続テレビ小説、通称朝ドラはこれまで100近い女性の人生を描いてきた。特に2012年に放送された「カーネーション」は新たな女性像を提供したと話題になった。本論文では、その新しさとは何かを分析していく。先行研究から、これまでの朝ドラが描いてきた女性は「頼もしい母、耐える女」であり、社会進出を図る女性には必ず困難や挫折が待ち構えていることがわかった。そして作中の登場人物のセリフや行動、脚本家や演出家のインタビューから、ヒロイン自身の特異性と脚本の特異性を発見した。つまり、仕事に生きがいを感じ、夢に向かってまっすぐ突き進む「脱、等身大の女性」を描いたこと、脚本によって特異なヒロインの人生を自分のことのように感じる描写が随所にされていたこと、この二つの大きな柱が「カーネーション」を新しいと意図的に思わせていたのだ。ただの伝記物語でなく、全く新しいフィクション作品が生み出されたと言える。 |
講評 | NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)に描かれる女性は仕事と家庭を両立できないものとして描かれてきた、と筆者は言う。朝ドラファンではあるがそのような描かれ方に懐疑的でもあった彼女は、当初いくつかの朝ドラの比較を試みた。しかしその過程で、一つのドラマ「カーネーション」に深く惹かれていった。自身も視聴するうち引き込まれていったのだが、「カーネーション」は社会的評価も高く「新しい」と称されていた。地上波で近年再放送もされている。そこでドラマ「カーネーション」の「新しさ」分析をテーマに絞り込んだ。 当初の朝ドラへの懐疑は2章で「類型化された女性像」として要約した。そのうえで、洋裁家小篠綾子をモデルとした「カーネーション」の先行研究をも読み解いていく。先行研究に恵まれ、たくさんの「新しさ」に気づいた彼女は、それらの点を全部伝えたい!という熱意をどう整理するかに苦戦した。戦争観や脱等身大の女性といった点もあったが、最終的にはヒロイン像と脚本(ナレーションがない、人間の業:明るさがいつも正しいわけではない 自分と身近な工夫、死生観、不倫など)という2つの特異性に絞り込んだ。この2つに整理した時点で、書きたいことの多さを整理できたことが論文の成功を導いたと思う。 発表会で最後にキャッチコピーのような一言、「すごいのに普通」と言っていた執筆者の笑顔が印象的だ。春から自らもドラマ制作にかかわる仕事に就く彼女に、この論文が力となることを願っている。 |
キーワード1 | 連続テレビ小説 |
キーワード2 | 「カーネーション 」 |
キーワード3 | 新しさ |
キーワード4 | ヒロイン像 |
キーワード5 | 脚本 |
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