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学科 | メディア学科 |
年度 | 2018 |
ゼミ名 | 阿部 康人 |
タイトル | 価値を与えられる廃墟ー廃墟の観光地化ー |
内容 | 本論文では、ダークツーリズムがメジャーな観光形態になっている社会背景を前提とし、廃墟に潜在する価値を見出し、廃墟がダークツーリズムの目的地となるための要因や過程について考察している。まず、2000年代前半から始まった廃墟ブームや廃墟マニアについて探り、一大ブームを作り上げた廃墟の魅力を考察した。次に、人類の過ちや自然災害が起こった悲劇の場所「負の遺産」やそれらを巡る観光「ダークツーリズム」の定義や詳細を探った。最後に、軍艦島等を具体例に挙げ、もともと廃墟であった場所が産業的、地理的な観点から価値づけられ、保存され、観光地化されていった事例を研究した。これらの事例研究から、廃墟に潜在する価値に目を向けることは廃墟の保存活動や新たな観光ベクトルの創出につながると考えられる。 |
講評 | 三つの事例研究を通して廃墟の観光地化とダークツーリズムの社会的価値について検討した論考です。さまざまな文献をもとに、近代化と関連させながら廃墟の意味や日本の廃墟ブームについて論じるにとどまらず、社会調査票や聞き取り調査を通して社会における廃墟のイメージや廃墟マニアが廃墟に向かう動機の一端などを明らかにした点を評価します。また三つの事例研究を通して、廃墟の意義を多角的に論じた点も評価に値します。一方、事例研究でも聞き取り調査などを通したデータ収集ができれば、さらに厚みのある記述となったのではないかと思います。さまざまな分野の文献に貪欲にあたりながら自身の関心や問題意識を深め、最終的に論文としてまとめた本作品を評価します。 |
キーワード1 | 廃墟 |
キーワード2 | ダークツーリズム |
キーワード3 | 負の遺産 |
キーワード4 | 観光 |
キーワード5 | 軍艦島 |
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