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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2008 |
ゼミ名 | 越水 雄二 |
タイトル | アルベロベッロの建築からみた歴史と文化 |
内容 | 本稿は、南イタリアのプーリア州の都市、アルベロベッロについて書いたものである。この都市の伝統的な建物であるトゥルッリから歴史と文化を読み解く。 筆者は、アルベロベッロの特徴を掴む際に、トゥルッリには、イスラームの影響があるのではないかと仮説を立てた。それを解明するため、イタリア都市・南イタリア都市・地中海都市との比較を行い、共通点や相違点を見出した。また、トゥルッリ群は、どのようにできたのかという疑問を解決するため、封建領主とトゥルッリの関係や人々の文化について触れ、トゥルッリの歴史的な展開を探った。アルベロベッロでは、今も変わらず、トゥルッリで人々は生活をしている。筆者は、時代の変化の中でのトゥルッリの空間的な特徴や保存活動について考察した。これは、トゥルッリについて考えるだけでなく、日本における個性豊かな生活空間とゆとりあるライフスタイルを考える材料にもなると考えられる。アルベロベッロは、トゥルッリの美しい景観から1996年にユネスコの世界遺産に登録された。トゥルッリには、封建社会から独立した住民の思いが詰まっており、長い歴史の中での住民の共存意識を窺うことができる。 |
講評 | このゼミでは、西洋の教育文化にかかわる研究テーマを一人ひとりが自分の興味関心に基づいて定め、およそ一年間―中には構想段階から一年半近く―、卒業論文に取り組んできました。2万字の卒論を執筆したのが12名、1万字の卒論を執筆したのが4名です。提出された各論文は、先行研究を超える独創的な成果に至ったものは残念ながらありませんが、著者の努力と工夫の跡が窺える点ではユニークな学習と考察の成果と評価できます。 ゼミ生を指導したというよりも、私は皆さんの卒論作成に併走しながら、さまざまな問題について学び、考える機会をもたせてもらいました。中には、おそらく一生、自分自身からは決して着目しなかっただろうと思うテーマもあり、それらを扱う卒論に出会えたことをありがたく感じています。また、自分も知っている、あるいは考えた経験をもつテーマについても、他者の視点からの調査と検討を媒介にして改めて理解を深められ、うれしく思います。こうした感謝や喜びの気持ちは、ゼミ生同士でも共有されているでしょう。 |
キーワード1 | アルベロベッロ |
キーワード2 | トゥルッリ |
キーワード3 | 生活空間 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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