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学科 社会福祉学科
年度 2018
ゼミ名 上野谷 加代子
タイトル 精神障害のある保護者と その子どもへのソーシャルサポート
内容 精神障害を患っていても子育てを行っている保護者は多くいる一方で、児童虐待の加害者が精神障害を患っていた事例も一定数ある。精神障害が児童虐待に直結するわけではないが、子どもを養育する保護者であれば誰もが感じるであろう子育ての辛さに、精神障害が加わればどのような困難が生じるのか、彼らを親に持つ子どもにどのようなサポートが必要なのか疑問に思った。本論文では、精神障害者の生活実態と、精神障害の症状が本人や家族に与える影響、支援制度の現状と課題を明らかにし、今後どのような制度が必要となりどのような役割がソーシャルワーカーに求められるのかを考察した。本論文を通して、市町村が中心となって地域生活を支援する施策がとられているが、在宅で暮らす精神障害者の多くは家族と同居し家族による支援を受けている者が多いことが明らかになった。そこでソーシャルワーカーは、本人や家族の地域生活を支えるために、課題を公的なサービスだけなく、地域の力で解決することの出来る地域の基盤作りを行っていく必要があるという結論に至った。
講評 上野谷ゼミナールの卒業論文提出者は、13名である。
「社会福祉研究法」(有斐閣)をむつかしいと嘆きながら学んだだけあって、もちろん個人によって異なるというものの、全員の問題意識は明確で文献もかなり読んだ学生もおり、論文の質は高いと評価しておこう。
 全員が、文献研究だけでなく、実習や就職活動を通して学んだ諸活動の経験も生かしている。また、調査や実験を実施したものもいる。中間発表会や最終の3回生への発表会を通して、まとめ上げていった経験を忘れないでほしい。以下、個々人の論文を紹介し講評する。
本論文は、精神障害者の生活実態を明らかにし、精神障害の症状が本人や家族に与える影響を丁寧に記述して、今日の支援制度の現状と課題を明らかにしている。そのうえで、今後どのような制度が必要となるのか、ソーシャルワーカーに求められる役割は何かを考察したものである。一般的な子育ての課題が叫ばれている中で、精神障害が加わればどのような困難が生じるのか、彼らを親に持つ子どもにどのようなサポートが必要なのか、と鋭く問うている。
在宅で暮らす精神障害者の多くが同居している家族による支援を受けている者が多いということを明確にし、彼らに寄り添い、研究をしている点は優れている。そこでソーシャルワーカーは、本人や家族の地域生活を支えるために、公的なサービスだけなく、地域の力で解決することの出来る地域の基盤作り、地域福祉の視点の重要性を指摘している。問題意識の明確な点、文献研究も優れており、優れた論文である。
キーワード1 精神障害
キーワード2 子育て支援
キーワード3 ソーシャルワーカーの役割
キーワード4  
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