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学科 社会福祉学科
年度 2018
ゼミ名 上野谷 加代子
タイトル 高齢者・障害者にとって 利用しやすい公共交通機関をつくるには
内容 今日、我が国においては高齢化とインターネットの普及に伴い、外出に抵抗感を持つ層が増加傾向にある。こうした状況は、移動に際し何らかの障害がある人々(以下、移動困難者とする)から移動の機会を奪い、社会からの孤立を招く恐れがある。
彼ら移動困難者の外出への抵抗を減らし、社会との交流の機会を確保するためにはどうすればよいだろうか。答えは公共交通機関にある。公共交通機関は全ての人にとって「移動のセーフティーネット」たる存在であり、誰にとっても利用しやすい環境でなければならない。しかし実際には、公共交通機関の利用に際して不満や抵抗感を感じる利用客が多く存在するのが現状である。本研究では、高齢者やその他の移動困難者が感じる公共交通機関への抵抗感の原因を明らかにするとともに、誰にとっても利用しやすい公共交通機関の環境は何か、それをどのように実現できるかを考察した。
 研究を通じて明らかになったことは、抵抗感はソフト面に起因するものとハード面に起因するものの二通りが存在することである。ソフト面の問題を解決する上で重要な考え方として「心のバリアフリー」を紹介する。これは、移動困難者とそれ以外の利用客や駅スタッフとの意識・意思疎通の壁を取り除いていこうとする考え方である。ハード面については、国が地方路線へのバリアフリー化の投資の重要性を把握し、鉄道会社任せではなく主体性を持って課題解決に向けて動き出す必要があるという結論に至った。
講評 上野谷ゼミナールの卒業論文提出者は、13名である。
「社会福祉研究法」(有斐閣)をむつかしいと嘆きながら学んだだけあって、もちろん個人によって異なるというものの、全員の問題意識は明確で文献もかなり読んだ学生もおり、論文の質は高いと評価しておこう。
 全員が、文献研究だけでなく、実習や就職活動を通して学んだ諸活動の経験も生かしている。また、調査や実験を実施したものもいる。中間発表会や最終の3回生への発表会を通して、まとめ上げていった経験を忘れないでほしい。以下、個々人の論文を紹介し講評する。
本論文は、移動に際し何らかの障害がある人々(以下、移動困難者とする)から移動の機会を奪い、社会からの孤立を招く恐れがあるということをふまえ、移動困難者の外出への抵抗を減らし、社会との交流の機会を確保するためにはどうすればよいだろうか、という問題意識のもと、公共交通機関の使命と課題について論じたものである。公共交通機関は全ての人にとって「移動のセーフティーネット」たる存在であり、誰にとっても利用しやすい環境でなければならない。しかし実際には、公共交通機関の利用に際して不満や抵抗感を感じる利用客が多く存在するのが現状である。本論文では、高齢者やその他の移動困難者が感じる公共交通機関への抵抗感の原因を明らかにするとともに、誰にとっても利用しやすい公共交通機関の環境は何か、それをどのように実現できるかを考察している。研究を通じて、抵抗感はソフト面に起因するものとハード面に起因するものの二通りが存在することを、ソフト面の「こころのバリアフリー」事例とハード面については、国が地方路線へのバリアフリー化の投資の重要性を把握し、鉄道会社任せではなく主体性を持って課題解決に向けて動き出す必要があるという結論に至っている。公共交通機関に就職する者としての貴重な論文である。
キーワード1 公共交通機関
キーワード2 移動困難者
キーワード3 交通権
キーワード4 バリアフリー
キーワード5  
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