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学科 教育文化学科
年度 2008
ゼミ名 越水 雄二
タイトル ビートルズ現象―若者文化が世界を変える―
内容 ビートルズ現象とは、ビートルズをめぐる世界中の若者の熱狂であり、マスメディアや大衆消費文化に特徴付けられる現代社会への突入を象徴する出来事であった。本研究の目的は、ビートルズ現象をモデルとし、「現代の若者によい影響を与える教育文化」について考察することである。
ビートルズは若者の様々な内面――新しい刺激への欲求、大人や社会への反発、心理的不安の解消、自由への憧れ――を、ロックやファッション、行動という形で表現し多くの共感を得た。しかしその一方、伝統的価値観を物ともしないビートルズの振る舞いは、大人世代にとって嫌悪の対象となり、若者対大人という対立構造を顕著に示すこととなった。
若者と同じ経験を持つビートルズの言葉が安心感や希望を与え、ヒッピー・ムーブメントをはじめとする社会行動を促した過程からは、〈階級社会イギリス〉〈改革の1960年代〉という社会・時代背景だけではなく、現在にも通じる若者の心理を見出だすことができる。ビートルズ現象は私たちに、若者の自己の確立を助け、自己主張の手段となる表現活動(若者文化)の可能性を示しているのではないだろうか。
講評 このゼミでは、西洋の教育文化にかかわる研究テーマを一人ひとりが自分の興味関心に基づいて定め、およそ一年間―中には構想段階から一年半近く―、卒業論文に取り組んできました。2万字の卒論を執筆したのが12名、1万字の卒論を執筆したのが4名です。提出された各論文は、先行研究を超える独創的な成果に至ったものは残念ながらありませんが、著者の努力と工夫の跡が窺える点ではユニークな学習と考察の成果と評価できます。
ゼミ生を指導したというよりも、私は皆さんの卒論作成に併走しながら、さまざまな問題について学び、考える機会をもたせてもらいました。中には、おそらく一生、自分自身からは決して着目しなかっただろうと思うテーマもあり、それらを扱う卒論に出会えたことをありがたく感じています。また、自分も知っている、あるいは考えた経験をもつテーマについても、他者の視点からの調査と検討を媒介にして改めて理解を深められ、うれしく思います。こうした感謝や喜びの気持ちは、ゼミ生同士でも共有されているでしょう。
キーワード1 ビートルズ
キーワード2 若者文化
キーワード3 ロック
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