詳細 | |
---|---|
学科 | 社会福祉学科 |
年度 | 2018 |
ゼミ名 | 木原 活信 |
タイトル | 差別する心と向き合うための物語の役割と可能性 |
内容 | 社会には“差別してはいけない”という厳重な規範がある。現に差別に苦しむ人がいる以上、差別は否定されるべきものだ。差別は本来、あってはならない。一方、“差別する心”は誰もが持ち得るものであり、私たちは差別と無縁に生きていくことなどできない。ここに、矛盾が生じる。こうした矛盾は、差別を“考えると居心地の悪いもの”にし、私たちから遠ざけてしまう。では、私たちが差別と向き合うためには、どうすればいいのだろうか。そこで本論文において、“物語”が差別と向き合う“力”を与えてくれるのではないかという一つの提案をした。物語には、世の中の矛盾や、人間の心の葛藤を受け止める力がある。私たちは物語を通してなら、差別とまっすぐ向き合えるのではないか。本論文では、まず差別と向き合う厳しさについて述べた。続いて物語とはなにか改めて検討し、その豊かさを示した。そして差別と向き合うための物語の役割と可能性について述べ、私たちが“差別する心”と生きていくための一つのヒントを提示した。 |
講評 | 「差別はいけない」という強烈な規範がある一方「差別する心」は誰もが持ち得る。つまり差別と無縁に生きていくことはできないという本質的矛盾がある。本論文においては、この矛盾構造に徹底的に拘り、それらを集中的に議論した。そのなかで、「物語」には、これらの矛盾や、人間の心の葛藤を受け止める不思議な「力」があることに着目し、その物語構造が差別と向き合う力を与える役割と可能性について集中的に議論した。社会問題と文学を組み合わせた異色な論稿であり、4万字を超える力作となった。着眼点もさることながら、一貫して、自分の言葉で文章をしたためた能力とその表現力も高く評価できる。 |
キーワード1 | 差別 |
キーワード2 | 差別感情 |
キーワード3 | 社会的排除 |
キーワード4 | 物語 |
キーワード5 | 映画 |
戻 る |