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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2008 |
ゼミ名 | 越水 雄二 |
タイトル | 希望からみる親子―いまどきの子ども事情と親のあり方― |
内容 | 本稿のテーマは、自立した親子関係を築く道を探ることである。特にパラサイト・シングルやニートとその親に着目し、若者の自立意識の変化や、親の対応をとらえると、「希望」が社会や親子におけるキーワードであるとわかる。希望とは、心が未来に向かい、現在の行動とつながっているときに生じる感情である。それがもてない人は、やる気を失い、不満を募らせる。高度成長期に比べて努力が報われにくくなった現代は、生活や雇用において、希望をもてる人ともてない人の格差が開いている。 現代を読み解く鍵となっている「希望」から教育を考えるために、ドイツの教育哲学者オットー・フリードリッヒ・ボルノウを参考にする。彼の哲学的考察から、希望に関する考察を深める。期待は未来の中に人を閉じ込めてしまうが、希望はあらゆる可能性を人の前に広げてくれる。ここから筆者は、親は子どもに期待ではなく希望をもち、子の心のよりどころとなることが、親のあり方だと考える。また、子どもも、自分の人生に希望をもって努力しようと言いたい。自立という教育の本質が見失われがちな現代にこそ、親子ともに希望をもって生きることが成熟した親子関係につながるのである。 |
講評 | このゼミでは、西洋の教育文化にかかわる研究テーマを一人ひとりが自分の興味関心に基づいて定め、およそ一年間―中には構想段階から一年半近く―、卒業論文に取り組んできました。2万字の卒論を執筆したのが12名、1万字の卒論を執筆したのが4名です。提出された各論文は、先行研究を超える独創的な成果に至ったものは残念ながらありませんが、著者の努力と工夫の跡が窺える点ではユニークな学習と考察の成果と評価できます。 ゼミ生を指導したというよりも、私は皆さんの卒論作成に併走しながら、さまざまな問題について学び、考える機会をもたせてもらいました。中には、おそらく一生、自分自身からは決して着目しなかっただろうと思うテーマもあり、それらを扱う卒論に出会えたことをありがたく感じています。また、自分も知っている、あるいは考えた経験をもつテーマについても、他者の視点からの調査と検討を媒介にして改めて理解を深められ、うれしく思います。こうした感謝や喜びの気持ちは、ゼミ生同士でも共有されているでしょう。 |
キーワード1 | 親子関係 |
キーワード2 | 自立 |
キーワード3 | 希望 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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