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学科 | 社会福祉学科 |
年度 | 2018 |
ゼミ名 | 野村 裕美 |
タイトル | 青年期以降ASD・ADHD当事者への支援の現状と求められる支援 |
内容 | 本論文は、 「なぜ青年期以降のASD・ADHD当事者は社会生活の中で困難を生じやすいのか」という問いに対して、 「ASD・ADHD当事者がもつ特性が社会生活で求められるものと矛盾する場面が多く、 またその矛盾を最小化できる適切な社会生活環境が十分に整っていないからである」という仮説に向けて論じたものである。 近年、 社会生活を送る成人の中で、 鬱・不安障害などの精神疾患を抱えるなどして生きづらさを訴える人が増えてきた。 医学の発達に伴って、 発達障害という新たな概念が生まれ、 2005年の発達障害者支援法を皮切りに本格的な支援が進められようとしているが、 その現状はまだ当事者の切実な要求を満たす程のものではない。 そこで本論では、 まず発達障害の中でも当事者の大部分を占めるASD・ADHDという障害の定義・分類について述べ、 不適応による二次障害の苦しみがどのようなものかを事例とともに考察する。 次に当事者に対しての支援の現状を整理し、 そこでの課題について今後求められる支援と併せて考察した。 |
講評 | 納得のいく作品となった。問いや論旨の展開に悩み、二転三転して苦労したと思うが、焦らず怠らず振り出しに戻ってからは、筆者が一番心地よく展開できる流れと、書きたい中身になったことが伝わってくる。まさしく納得のプロセスの上、生み出された作品となった。評価する点は、第一に青年期に機軸をおきながら、青年期以降に関心を持ち続けたこと、第二に当事者へのまなざしを大切にしたこと、第三にASD・ADHD当事者の直面する現実の記述が大変わかりやすく、暮らしの中での理解が読み手に十分伝わる表現であること、第四に就学から就労への段階を記述整理できたことで、人生のトランジションの困難感をも読み手に実感させる内容となっていることがあげられる。筆者の、事象をとらえる視点が評価評論ではなく、理解に価値を置いていることがにじみ出ている論文となった。特に、日本の高等教育機関における支援の実例にたどりつけたことは、粘り強く文献探索にあたった成果だと思われる。今後も当事者の立場に近づこうという心意気を大切に、精神保健福祉領域においてぜひとも活躍してほしいと願う。 |
キーワード1 | ASD・ADHD |
キーワード2 | 二次障害 |
キーワード3 | 再現性 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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