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学科 社会福祉学科
年度 2018
ゼミ名 野村 裕美
タイトル 幸福について ~幸福史を読み解く~
内容  本論文では、あくまで現代における幸福の大枠を紐解くことを最大目的している。もちろんのことであるが、個人によって幸福に対する価値観の多少の違いがあることは紛れもない事実である。しかし、人間という共通点がある以上は、幸福についても何かしらの共通点が存在するという仮定のもとでこの論文は構成されている。幸福をメインテーマとして論を進めるが、「幸福とは何か」という永久に答えの出ないクエスチョンに対する挑戦のようなものはこの論文では避けることにする。
 そのためには、まず最初の段階として、古代→中世→近世・近代→現代という時代区分における、思想の歴史的な移り変わりを事細かに紐解いていく必要性がある。過去の著名な思想家達が生み出した思想の歴史的系譜を辿ることから始め、それぞれの思想を比較し、考察しながら論を進める。その次の段階では、考察を交えたそれらの思想を、我々の実生活で日常的に起こり得る現象や客観的なデータに当てはめつつ、多角的な視点から現代における幸福のありかたを考察する。
講評  文献数もさることながら、最終執筆字数が4万6千字を超える超大作となった。ふだんのくらしのしあわせが社会福祉の「ふくし」だという人もいる。人間の幸福を追求するのが社会福祉学の根源に触れることであるとすれば、筆者が研究テーマにすえた古代、中世、近世、近代、現代における幸福に関する論の変遷を調べ論じる本論文は、原論に関わる内容となるといえる。人は代々何を求めて暮らしてきたのか、暮らしのおけるニードの変遷、市井の人々の幸福感の変遷を探索した緻密な文献研究となった。そのスケールの壮大さに、どこまで進むのか、展開するのか、伴走していた立場としては不安な時期も正直あったが、筆者にとっても「尻切れトンボ」ではなく、考察を付すことができる切れの良いところでひと段落つけることができた。筆者の整理において、現代においては、「幸福とは何か」より「どうすれば幸福になることができるのか」に諸説・諸哲学がシフトしていくことが読み手として非常に面白く読めた。本質を知る段階からさらに進み、私が手に入れることができるかどうかに変わっていったという。筆者の未知なる可能性とこれからの人生を楽しみにしたい。
キーワード1 幸福
キーワード2 歴史
キーワード3 大枠
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