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学科 | 社会福祉学科 |
年度 | 2018 |
ゼミ名 | 野村 裕美 |
タイトル | 累犯障害者を取り巻く現状と今後の支援のあり方 |
内容 | 本論文は、「なぜ罪を犯した知的障害者・精神障害者の累犯は多いのか」という問いに対し、「出所をしても社会的孤立や居場所がないことで再犯に繋がり、それが負のサイクルとなって繰り返されることで累犯に至っているのではないか」という仮説に向けて論じたものである。近年、障害を有する受刑者が出所する際に福祉的支援に結びつける取り組みが行われるようになってきている。しかし、まだまだ社会資源が少ないことや犯罪者というレッテルが貼られるが故に排除され、社会復帰・地域定着が進まないのが現状である。 そこで本論文では、累犯障害者がなぜ犯罪を繰り返してしまうのかを明らかにし、累犯障害者に対する福祉的支援の実際と課題について述べる。その課題を踏まえた上で、累犯させないために今後求められる福祉的支援のあり方とはどのようなものか、累犯障害者の社会復帰・地域定着支援における社会福祉士の役割について考察した。 |
講評 | 大変な力作となった。力作である点は、第一に「なぜ罪を犯した知的障害・精神障害の方の累犯は多いのか」というシンプルな問いを立てられたこと、第二に適切な文献検索により仮説が早々にたてられたこと、第三に精神保健福祉士現場実習体験と研究作業が重なり、研究への動機づけと特に地域生活への関心が結びついて論旨の展開に生かされたこと、第四に文章の構成力・表現力が優れており、無駄な表現を使わずに論旨を展開できたことを挙げたい。多くの学生が一つに絞れない、論を飛躍して展開してしまう中で、筆者の焦点化するセンス・集中力・調べたこと、わからないことを着々とつないで積み重ねていく姿勢は、目を見張るものがあった。制度登場以前の段階、たとえば刑務所出所者への支援が行われるようになる前の段階に関心を向け、時代の節目と社会的孤立への関心をリンクさせて論じることができている。暮らしの中の小児・新生児医療においてソーシャルワーカーとしての実践を積み、問をたて、ぜひともまた研究の場に戻ってきてほしい。 |
キーワード1 | 累犯障害者 |
キーワード2 | 更生保護 |
キーワード3 | 社会復帰 |
キーワード4 | 地域定着 |
キーワード5 | |
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