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学科 | 社会福祉学科 |
年度 | 2018 |
ゼミ名 | 野村 裕美 |
タイトル | 医療的ケアの必要な子どもたちへの支援 |
内容 | 本論文は、「医療的ケアの必要な子どもたちはなぜ見過ごされてきたのか」という問いに対して、「医療的ケア児に対する支援や制度、法律が未整備なのではないか」という仮説にむけて論じたものである。近年、医療技術の進展によりこれまで救うことのできなかった命が助かることが増加している。その結果、チューブを使って栄養をとる経管栄養やたんの吸引といった医療的ケアを常的に必要とする子どもが増え、この10年で約2倍になっている。しかし、制度や体制が不十分であるとされ、家族への負担が大きく存在する。ケアが必要不可欠であるため学校に行けない児童や保護者の付き添いなしでは登校が認められないなどのケースもある。特に母親は保護者として医療的ケア児に付き添いになってしまうため兄弟にも影響を与えていると考えられる。 そこで本論文では、医療的ケアの必要な子どもたちについての支援体制や日常生活についての研究を行い、その中で現在どのような制度や課題があるのかを研究した。当事者である児童・生徒本人だけではなくその両親や兄弟についての支援体制について明らかにし、医療的ケア児がおかれている現状と課題を考察した。 |
講評 | 取り組み甲斐のある作品となった。早々から関心領域を絞り込み、卒論テーマの設定には苦労はなかったように思う。また、比較的関心が広まってきているテーマにおいて、おさえなければならない文献研究と、すでに各所で触れられている論旨展開に自分らしい展開を加えていくことに苦労し、多くの力がそそがれたのではないかと推察する。踏まえなければならない文献やデータが多く、論旨に合わせて整理し選択し引用していく作業は骨が折れたのではないかと思う。しかし執筆スケジュールをはみ出すことなく、着々とやり進めていった点こそ、筆者の最大の強みだと考える。本領域においては、先駆的な取り組みが全国各地に登場しており、先駆例を紹介することもできた。そのうえで、制度政策へさらなる実態の共有が必要である点を具体的に整理し指摘できた点が論文としての大いなる成果となった。ソーシャルワーカーの役割にこだわり始めると、本課題は過去に執筆において迷走する場合もあったが、担い手にこだわらずに課題整理できた点は大きい。将来は、ぜひともソーシャルワークのわかる(社会的構造と課題の発生背景に関心を向けられる)最強の看護師になってほしい。 |
キーワード1 | 医療的ケア児 |
キーワード2 | 小児医療 |
キーワード3 | 家族支援 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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