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学科 | 社会福祉学科 |
年度 | 2018 |
ゼミ名 | 黒木 保博 |
タイトル | 罪を犯した知的障害者の背景と福祉的な支援における課題 |
内容 | 三年生の春学期に受けた授業がきっかけで、罪を犯した知的障害者に興味を持つようになった。彼らの犯罪の事例を調べてみると、彼らに共通することは社会で孤立していることであった。彼らの中には支援が必要にも関わらず、頼る者がおらずに結果として生活困窮に陥り、生きるための最後の砦として刑務所に辿り着く者もいる。現在、知的障害者が犯罪を繰り返さないように、そして彼らが社会復帰を果たすために、様々な機関が対策をとっている。また、それぞれの機関においてソーシャルワーカーが配置されるようになり、知的障害を有する受刑者が矯正施設出所後にスムーズに福祉の支援を受けられるように、司法と福祉を結ぶ役割を担っている。本論文では、知的障害者の犯罪に大きく関わると考えた知的障害の早期発見、就労、帰住先の確保、孤立の項目に分け、現在の知的障害犯罪者における処遇と支援において課題と思われる点を指摘し、福祉とソーシャルワーカーが果たすべき役割を考える |
講評 | 専門演習クラスで、すでに伝えているが、黒木ゼミの卒業論文評価は次のような項目である。1)論旨の明快性(一貫性) 2)着目点、3)準備力(作成発表内容等)、4)構成力、5)文献の収集、6)文献の応用、7)表現力、8)卒業発表会内容、を各項目で評価し、総合点とする。 1・卒論作成は、多くのゼミ生は自分自身との戦いであったと思う。苦しい思いをしながら作成作業をした。多くの人はこのような長文を書くことは今後の人生においては経験しないであろうと思われる。自分はあの卒論を書き上げたのだという自信だけはもって卒業して欲しい。もちろん、自分に厳しく自分を鼓舞して作成に立ち向かった人と、できるだけ自分との戦いを調整しながら作成した人とに区分できるかもしれない。 2・例年通りに3)「準備力」は、二極化した。専門演習クラスにおける発表準備、発表内容、レジュメ内容での評価となる。しっかりと文献を収集し、文献を読み、卒論構想に取り組んでいる発表と、明らかにまだ取り組んでいないことが判断できる発表である。毎回一人約30分、3人の発表となるが、ゼミ生15人のために春学期2回、秋学期1回だけの発表であった。 3・文献の収集のためには「検索」方法を身につける必要がある。また文献の応用をしながら、本格的執筆のための準備をしていくことになった。テーマ設定・提出は、ほぼ一斉にできたものの、準備に時間、エネルギーを費やしていく卒論作成への熱意や積極性で差が出てきたと思われる。 4・2)着目点については、そのテーマ・内容に関心を持ち、着目した各自の問題性・課題性との関連で評価できた。自分の思いと証しからよく理解できた。 5・1)論旨の明快性(一貫性)、4)構成力、7)表現力に関しては、例年以上によくできている論文が多かった。 6・ゼミクラスでは常々「激励」の意味を込めて伝えてきたことがある。卒論作成に取り組んだ過程と提出できた卒論内容こそが大学生時代の学びの集大成である。講義科目はいわば「受動的姿勢」で良かった。しかし、卒論作成は主体的、能動的に自らが一から創り出していくことでもあった。各自のいろいろな関心・動機から徐々にテーマを絞り、文献や資料を集め、これを読破・分析・整理した。自分の疑問点からどうすれば仮説を導き出し、それを論証するために論文を書いたという事実が、卒論成果として残ったと思う。 |
キーワード1 | 知的障害 |
キーワード2 | 社会システム |
キーワード3 | 包括的支援 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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