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学科 | メディア学科 |
年度 | 2018 |
ゼミ名 | 勝野 宏史 |
タイトル | 入れ替わり作品から読み取れるアイデンティティの危機 |
内容 | 本論文は入れ替わり作品の増加という点に注目し、そこから読み取れるアイデンティティの危機や存在論的不安といった現象がどのように作品に描かれているかを明らかにすることを目的とする。その際、入れ替わり作品の入れ替わりの表現や、アイデンティティの描かれ方という視点で作品分析を中心に分析を行った。ここで明らかになったのは、入れ替わりが起こったとしても大きな支障なく生活を送れるということが描かれていることから、必ずしも“自分”が唯一無二の存在であるとは言えないということ、つまり“自分”という存在の揺らぎ=アイデンティティの危機を引き起こしている、ということである。その結果、本論文は、存在論的不安のような人々の不安の表れやアイデンティティの危機は、より人々の感情をクローズアップして描かれる入れ替わり作品に描かれやすい傾向があると結論づけた。 |
講評 | 本年度はインターネット、テレビ、広告、映画、社会運動、アニメ、監視社会、観光、ファッションなど、実に様々なテーマが提出された。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその解釈の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。個々それぞれが別々のテーマに着目しながらも、最終の口頭試問において明らかとなったのは、すべての論文が「共感」もしくは「存在の不安」という問題意識を有しているということであった。最後にゼミ全体としてその様な大きな問いを共有することができたのはゼミ参加メンバーが主体的な議論を重ねてきた結果であろう。 |
キーワード1 | 入れ替わり |
キーワード2 | アイデンティティの危機 |
キーワード3 | 存在論的不安 |
キーワード4 | タイムトラベル・スリップ・リープ |
キーワード5 | 近代社会 |
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