詳細 | |
---|---|
学科 | メディア学科 |
年度 | 2018 |
ゼミ名 | 勝野 宏史 |
タイトル | 人々はなぜ「アンチ」活動を行うのか |
内容 | 本論文はインターネット、SNS時代に発展したとされる「アンチ」活動に注目し、人々はなぜある対象のアンチとなり、そしてなぜ嫌いな対象に対しアンチ活動を行うのかを明らかにすることを目的とする。その際、人間の心理的要因、ネット上の特性要因という2つの視点からTwitterのアカウントを用いて分析した。ここで明らかになったのは、①自分より優秀な人に対する「嫉妬」、②自分が嫌いなものが持て囃されていることを否定したい、③自分が好きなものを否定・侮辱された、④期待を裏切ったことによる逆恨み、⑤好きなもののライバル・敵的存在、という5点の人間の心理的要因がアンチ活動の動機となり、①匿名性・非抑制性、②サイバーカスケード、③認知的不協和の理論という3点のネット上の特性要因によりアンチ活動が促進されるという事である。その結果、本論文はアンチ活動を対象者やファンの不安を煽る、対象者のイメージダウンという目的以外に、現代人の多くが抱える存在論的不安の解消の意味があると結論付けた。 |
講評 | 本年度はインターネット、テレビ、広告、映画、社会運動、アニメ、監視社会、観光、ファッションなど、実に様々なテーマが提出された。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその解釈の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。個々それぞれが別々のテーマに着目しながらも、最終の口頭試問において明らかとなったのは、すべての論文が「共感」もしくは「存在の不安」という問題意識を有しているということであった。最後にゼミ全体としてその様な大きな問いを共有することができたのはゼミ参加メンバーが主体的な議論を重ねてきた結果であろう。 |
キーワード1 | ファン |
キーワード2 | 炎上 |
キーワード3 | 存在論的不安 |
キーワード4 | 認知的不協和 |
キーワード5 | サイバーカスケード |
戻 る |