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学科 メディア学科
年度 2018
ゼミ名 勝野 宏史
タイトル デジタル時代におけるマンガの在り方と読者のマンガ受容
内容 現在のマンガ業界は、マンガ雑誌の休刊や発行部数減少が目立つ一方、「電子マンガ」が新たに登場し、紙と電子が交錯する変革期を迎えている。本論文は、デジタル時代おけるマンガの在り方に注目し、マンガ業界・作り手側の現状や電子マンガの特徴を把握し、読者がどのようにマンガを受容しているのかを明らかにすることを目的とする。その際、「電子マンガが人々に受容された要因」、「デジタル時代において紙媒体が選ばれる理由」という2点に焦点を当てて分析を行った。ここで明らかになったのは、主にマンガアプリによる「待てば無料モデル」が電子マンガ受容に大きく影響したということ、そして、今のデジタル時代において、紙が持つ「モノとしての存在感」という良さが「再発見」されていることである。その結果、本論文は、紙のマンガと電子マンガはそれぞれの特徴から棲み分けが行なわれており、電子マンガの「無料モデル」や、紙のマンガの魅力の「再発見」が、「紙か電子か」と二元的に割り切ることのできない現状を作り上げていると結論づけた。
講評 本年度はインターネット、テレビ、広告、映画、社会運動、アニメ、監視社会、観光、ファッションなど、実に様々なテーマが提出された。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその解釈の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。個々それぞれが別々のテーマに着目しながらも、最終の口頭試問において明らかとなったのは、すべての論文が「共感」もしくは「存在の不安」という問題意識を有しているということであった。最後にゼミ全体としてその様な大きな問いを共有することができたのはゼミ参加メンバーが主体的な議論を重ねてきた結果であろう。
キーワード1 マンガ
キーワード2 デジタル化
キーワード3 紙と電子
キーワード4 再発見
キーワード5 無料モデル
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