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学科 | 社会学科 |
年度 | 2019 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | 地域コミュニティ形成の場としての商店街再生とは ―京都市上京区堀川商店街を事例として― |
内容 | 少子高齢化が進む現代において商店街は、経済活動の中心の場としてではなく、地域コミュニティ形成としての場としての役割が期待される。地域の「住みやすさ」の基礎となるものは、多様なコミュニティ同士の交流や相互援助体制であり、地域課題の発見や解決へと繋がる。それらを生み出す拠点として商店街再生を進めるには、何が必要とされ、何が課題となるのであろうか。 そこで本論文では、商店街再生と地域交流促進を組み合わせた事業が行われている堀川商店街について、事業に関連する複数の主体に聞き取り調査を行った。しかし、調査から明らかになったことは、商店街における高齢者、障がい者、同じ職業の住民同士といった多様なコミュニティにおける横のつながりがほぼ構築されていないこと、コミュニティ同士の連携の意思があっても実現を促せるようなシステムを作っていく必要があることであった。こうした事例を踏まえた上で、どのようにすれば多様な地域住民の交流や相互援助のシステムを構築できるのか考えていくことが今後の課題である。 |
講評 | 本論文は、商店街の衰退が進む時代背景のなかで、コミュニティ機能をどう再構築するかという観点から、京都市内の堀川商店街のコミュニティ関係者数名への取材をベースに議論をしている。狭い範囲に多数のコミュニティが入り乱れている複雑なフィールドの中で、苦労しつつ関係者へのインタビューをまとめている。現在の商店街のまちづくりに関わる複数のアクターの関係のディテールが丁寧に記述され、それが既存の商店街組織によって主導される形ではなく、商店街の外側に拠点があるアートや福祉関係者のクリエイティブなネットワークと重なり合うなかで展開している状況が明らかにされる。それゆえに、商店街という限定的な空間の記述に止まらず、その外側に広がる京都のまちづくりのネットワーク全体を捉えて課題を絞れば、より発展的考察ができるだろう。 |
キーワード1 | 地域コミュニティ形成 |
キーワード2 | 地域交流 |
キーワード3 | 相互援助体制 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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