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学科 | 社会学科 |
年度 | 2019 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | 寺カフェはなぜ心地よいのか ―現代コミュニティに合う居場所としての寺の展望― |
内容 | 現代の寺は「仏教ブーム」と「寺離れ」という二つの文脈のなかで語られる。「寺カフェ」という現象は、仏教ブームを象徴するものであるが、同時に寺が時代に適した形で地域コミュニティのなかに組み込まれるためのコミュニティカフェとしての機能を果たしている。 寺がコミュニティカフェとなることができるのは、かつて寺が担っていたコミュニティ機能の再生と捉えられるというだけでなく、新たな居場所となるために人が集まる集積を寺がもっているためである。つながりという文脈のなかでは、寺が人々にとっての精神的な居場所であるという言説のなかで、コミュニティがもつ意味を強化する。 精神的居場所として寺には不変の価値がある。地域特性に合わせて問題を解決する目的において寺カフェは、つながりが求められる現代のニーズに合った居場所の提供ができるために、固有の価値をもっているといえる。 |
講評 | 本論文は、地域の人口減少、寺院における檀家の減少といった社会状況への対応としての「寺カフェ」の試みについて、兵庫県の中山間地の寺院における著者自身の参与観察をもとに議論されている。コミュニティ・カフェに関する研究はいくらかあるが、その文脈で「寺カフェ」に焦点を合わせた研究は皆無に等しく、その点で興味深い現象が丁寧に記述されている。地縁・血縁で固定された形ではなく、自発的で緩やかなつながりを求める現代的なコミュニティを求める動きに注目しつつ、そうしたなかで「寺カフェ」の意味を説得的に議論している。この論文では、著者が参与観察した一つの寺院の事例にフォーカスされているが、「寺カフェ」的な現象が全国にどのように展開しているのか、そしてその多様性をどう理解すればよいのかについても、視点を広げてみたいところである。 |
キーワード1 | 寺カフェ |
キーワード2 | 居場所 |
キーワード3 | 地域コミュニティ |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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