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学科 | 社会学科 |
年度 | 2019 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | 地域の文化が人口移動に与える影響 ―岸和田だんじり祭りを事例に― |
内容 | 地域の文化が人口移動に対してポジティブな影響を与えることができるのか、岸和田だんじり祭りを事例に、岸和田市在住の方へのインタビュー調査をもとに考える。 岸和田だんじり祭りの特徴は、各町の町内組織にある。組織ごとに年齢階級、役割があり、それらは地域の人々のつながりを密接にしている。そのつながりは就職などで県外に移住した後でも途切れることはなく、働きやすさの面でUターンでの帰りやすさにつながっている。また、子供会や少年団の関わりは、子供同士だけでなく親同士のつながりも構築する。それは子育ての面において、孤独の払拭と安全の確保という2つの意味で有効なものであるといえる。これは子育ての面での住みやすさ、人口の定着につながっている。 このことから地域の文化には人々をつなぐ力があり、人口移動に対してポジティブな影響を与えることができるといえる。人々のつながり、地域のつながりに目を向けると、地域の文化が持つ可能性を新たに発見できると考える。 |
講評 | 本論文は、大阪府岸和田市の人口が府内の他都市に比べて維持されている点に注目するところから出発し、「だんじり祭り」の存在がUターンやIターン人口を引きつける要因になっているという仮説を立て、「だんじり祭り」の盛んな町内に住む5人を対象とするインタビューに臨んでいる。その結果、祭りの魅力が人口移動に直接の影響を及ぼすのではなく、祭りとの関わりが人のつながりを形成し、岸和田で暮らしやすい状況を作り、そのことが間接的に岸和田における定住につながっていることが示唆される。祭りに関わる個人の居住歴に焦点を合わせた本論文の着眼点は興味深いが、結論を導く過程を説得的にするためには、特定の町の「だんじり」に関わる人々の現住所・居住歴の全体を調べるなど、調査設計の工夫をし、より踏み込んだ内容の調査が必要になるだろう。 |
キーワード1 | 地域の文化 |
キーワード2 | 岸和田だんじり祭り |
キーワード3 | 人口移動 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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